インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

墜落!からの生還―生存者が語る航空機事故の真実 (ヴィレッジブックス)

価格: ¥840
カテゴリ: 文庫
ブランド: ヴィレッジブックス
Amazon.co.jpで確認
ストイックな作り ★★★☆☆
本書には、15の事故が掲載されています。それぞれ冒頭に事件の概要が記されていますが、中心となるのは、生存者や目撃者へのインタビューそしてボイスレコーダーの記録です。

インタビューは事故から間もない時期に行われており、事故直前の機内の緊迫した様子、地上にいて巻き込まれた人々の恐怖と驚き、凄惨な事故現場の有様、そして生き延びるための必死の努力が、読んでいて生々しく伝わってきました。通常のドキュメンタリーと異なり体験者の生の声がそのまま収録されているので、派手さはありません。しかし、自分が生き残るため怪我人を助けられず脱出したことなどがさらりと書かれているなど、むしろ受ける印象は強くなっていると思います。

もっとも、本としての構成には多少の問題点を感じます。
まず、インタビューを受けた語り手は、乗務員等一部を除いて、性別と年齢そして座席番号しか特定されていません。仮名すらつけられていません。頻繁に語り手が変わるため、誰が誰なのか混乱しやすい構造になっています。
次に、事故の概要があっさりしすぎています。読み手としては語り手の話に出てくる人物も助かったのかどうかに関心がわくと思うのですが、概要では死傷者数や生存者数は書いてあっても具体的に誰が助かったまでは特定されていないので、この本からはそこまで分かりません。
そして、終わり方も唐突です。最後に出てくる語り手だからといって特に他の語り手と異なるところはなく、自分の事故についての話を語るだけです。しかも、事故が解決してからの話は一切書かれていないため、今語り手たちがどのような状態にあるのかほとんど分かりません。同乗していた家族や友人が亡くなったのかどうかさえ、文中の言葉の端々から推測するしかありません。

非常な生々しさを持った本ですが、ストイックにインタビューを載せているだけなので、読者としては気になる事故の結末が分からず、尻切れとんぼな印象を受けてしまいます。体験者の話をそのまま伝えるという本の趣旨を誠実に貫いた結果かもしれませんが、もう少し事故の全体像を詳しく書いてくれたならと思いました。
前作に比べると読みにくい ★★☆☆☆
  前作「墜落!の瞬間」では、フライトレコーダーという「コックピットの一人称」で語られた航空機事故の数々を、本作では生還した乗客・客室乗務員のインタビューという複数の視点から構成し直している。

  しかし、これがどうもよくない。

  ともすれば乗客の、乗務員に対する不満に流れたり、(例を挙げると、機長が流した「故障を修理したので飛べると『思う』」というアナウンスに、乗客が不安を抱いたくだりがある)またある場面では乗務員の英雄譚に流れがちであったりと、前作が持つ冷徹なまでの客観性が失われているのが残念である。

  また、複数の人物からの証言が断片的に繰り返し書かれているので、前作での特色であった「一貫した時間軸」が失われている。すなわち、起こったこと!を理解する上で、読む側が頭の中でテープを巻き戻し・再生する努力をしなければならない。

  さらに、各章の冒頭にある事故の概要では、肝心の「何が事故の原因であったのか」ということが書かれていない場合が多いため、しばしフラストレーションを覚えることがある。

  どう考えても前作より多くの労力と時間がかけられていると思われるがゆえに、読み物として中途半端になっていることが残念である。

航空機墜落の恐怖! ★★★★☆
著者の作品は前作の「墜落!の瞬間」も大変面白く、今回の「墜落!からの生還」も楽しみにしていました。航空機災害の恐怖を生存者の声とともに描かれていることで、その事故の生々しさがすごく伝わってきました。一瞬で多くの人命を失う航空機事故、今まで読んだ本の中で一番生々しいと思います。この本を読むと航空機事故が人事ではないと感じるかもしれません。