1999年を筆者は日本の技術にとって一つの節目となる年と考えている。その年に起こった三つの事件の一つにJOCの臨界事故をあげている。この事故により世界から日本のクラフトマンシップの終焉と非難された。しかし筆者はこれに異を唱え、非常に面白い論を展開する。
クローンの作り方、ES細胞の作り方似ついて書かれた箇所があるが、それらについて知っているつもりでいたのにそれは勘違いであったということが読んでいて恥ずかしくなった。その作り方はなんとも恐ろしいもので、科学者の倫理性が問われるべきものであり、筆者も述べているように日本として、また世界的に科学の倫理というものを考え直すべきだと思う。そして科学者の「象牙の塔」化は避けられるべきであり、また我々も科学に無頓着ではダメであるという事を痛感した。