（このレビューはシリーズを通しての感想です）

まさに題名にある『罪』というイメージがずっとつきまとっていて、甘々とかほんのりっていう感じではあんまり無いと思います。

「人の愛し方がわからない」穂高の、不器用で一途な心理がチラリズム的に描写され、切なくて胸に迫るシーンもあります。
ただ全体として、「好き」「愛している」「愛情」と言う言葉が連発され、そこにちょっと小説としての拙さを感じました。
恋の葛藤というよりは恋愛自体に恋している主人公というような印象を受けたからです。

そして二人の想いが通じ合った後も、濡れ場が全体的に陵辱プレイって雰囲気なのがなんとなく自分には合わない感じでした…。
甘々なヘタレ攻めとかよりも、ちょっとハードで冷徹なのが好きな読者の方にはオススメだと思います。


あと、どのシリーズもひなこ先生の美しいイラストが惜しみなく多用してあって、巻末にはひなこ先生のイラスト付きメッセージもついてます。
自分もそうですが、ひなこファンには嬉しいおまけです☆

好きだよ。過去に一度だけ伝えられた言葉。相手は売れっ子ミステリー作家穂高櫂。婚約者の在った身でそれを振り切り小説編集の桜井透也は彼を選ぶ。でも彼は才能があってハンサムで金持ちで孤独だ。自分は担当で編集の実績もこれから積み上げれなければならなくて、どんなスタンスで接していけばいいのかつかめない。会えばみだらに身体を重ねてしまう。穏やかに話す余裕はない。こんな筈では、と思うのに現実は気持ちを上滑りする。身体だけなのだろうか？飽きられてしまったら、もういらないと言われるのも、他の誰かが彼に触れるのも辛い。グルグルと悩む桜井君と実はイライラしてる穂高先生で、クラクラするような濃厚な過ごし方をしております。面白かったです。