私個人としては『従軍慰安婦』に関して肯定派・否定派両方の本を丁寧に読んでみましたが、未だはっきりとした結論を出すには至っていません。
ただ、どちらかと言うと否定派の方はいくつか慰安婦に日本軍が関与していない証拠を挙げているのに対し、肯定派の主張にはやや説得力が欠けるかな、といった印象です。
注意すべきは、何より肯定派・否定派両方とも決定的な証拠を出すに至っていないので、まだこの問題は冷静に考える必要があると思います。
さて、この本に関してですが、肯定派本のなかでもあまり内容がしっかりしていないと言う印象です。否定派本と比べて読まなくても、主張に無理のあるところが所々あります。この本を読んでも得るところは少ないと思います。
参考までに肯定派・否定派の本を並べておきます。
肯定派;
占領軍慰安婦(山田盟子)
朝鮮人女性がみた『慰安婦問題』(尹貞玉)
性の奴隷 従軍慰安婦(ジョージ・ヒックス)
否定派;
慰安婦と戦場の性(秦郁彦)
『自虐史観』の病理(藤岡信勝)
慰安婦強制連行はなかった―河野談話の放置は許されない(大師堂経慰)
歴史教科書との15年戦争(共著)