コンサルらしくもっと冷静な議論を
★★☆☆☆
表題の通り現場を意識した作りで、営業店の労苦がしのばれる。
但し、著者の銀行員経験がそうさせるのか、ときに感情的な言葉遣いが目立ち、ややもすると営業店のグチにしか聞こえない部分も多い。
もっとコンサルらしく冷静な議論をして欲しい。
地域金融への示唆としては「当たり前のことを当たり前にする」ということで、地域金融の姿の正鵠を射ているとも言えるが、ある意味誰でも考えそうなこと。
経済の地域格差や遅々として進まない「貯蓄から投資」へのマネーの流れを背景に、運用難に直面している地域金融へのアドバイスとしては物足りなさを覚える。
また話の根底に「法人取引が地域金融の王道」という意識があるように感じるが、その点についてはもっと議論が必要。「行員は本当は住宅ローン営業ではなく、法人取引で地域経済に貢献したいはずだ」という点だけで結論付けていい話ではないはず。
プロ向けにも通用するコンサルらしい次回作を期待します。