内容は面白いのに読んでてどうも面白くない。文章がクサいんです。あの大家を意識してるのか、大仰な表現が目につく。「琵琶湖が満々たる水をたたえて横たわって」いたり、「雄大なパノラマはまるで一幅の絵のよう」だったり、「枚挙にいとまがな」かったり、なんだか紋切り型でシラける文章なんだよな。小説家にしては迂闊な文体だと思う。
年寄りの作家なのかと思って略歴見れば、なんだまだ50前じゃん。老け込むにはまだ早いよ。道なき山道を分け入って、体と時間を使って書いた貴重な本なんだから、大家を気取る必要なんかなかったのに。フットワークと発想の柔らかさが損なわれているようで、すごく残念な☆2つ減。
他の方も書いておられたが、もう少し当時の城の様子がわかるともっとうれしかった。
なにしろ残っている日本の城はどんなにがんばっても戦国末期くらいからで
山城は見たくとも見れないのだから。
(岐阜城は例外だが、あれも当時を思い起こさせるものではない)
それにしても延暦寺は城か?