インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

暗黒館の殺人 (下) (講談社ノベルス)

価格: ¥1
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
Amazon.co.jpで確認
《館》シリーズの集大成 ★★★★☆

■〈あらすじ〉

  母親の葬儀のため、九州に帰郷していた江南孝明は、親戚から建築家・中村青司が
  改築に関わった”〈暗黒館〉――熊本の山深く、湖の小島に建つ異形の館――の話
  を聞かされ、その館に赴くことにする。

  その道中、地震が起きて事故に遭い、負傷した
  ものの、なんとか〈暗黒館〉にたどり着いた江南。

  しかし、呼び鈴を鳴らしても誰も出てこなかったため、敷地内にある十角形の塔に
  登り、バルコニーから館にいる人の姿を見たのだが、再び起きた地震によって、彼
  は塔から転落してしまう――


  ――建築学を専攻する学生・“中也”は、東京で知り合った〈暗黒館〉の当主の
  息子・浦登玄児に招かれ、〈暗黒館〉を訪れていた。身許のはっきりしない青年
  が、塔から転落して記憶喪失となったり、使用人が事故で重傷を負うなど、不穏
  な出来事が続く。そして中也は、浦登家が年に一度、〈ダリアの夜〉に開く特別な
  〈宴)に参加するのだが……。



■〈感想〉

  メインとなるのは、著者お得意の××トリックではあるものの、全編に横溢する
  オカルト要素に、鏡という小道具や、本シリーズならではのからくり趣味などを
  絡めて論理的に犯人を特定できる仕様にしているのは評価されるべきでしょう。

  ××トリックも、勘のいい人は、直感的に分かってしまうかもしれ
  ませんが、真相の全てを見抜くことはきわめて困難だと思います。

  そして、常軌を逸した殺人の動機も、〈暗黒館〉という“異世界”においては、
  説得力と必然性を持ちうるものになっている――そのためにこれだけの大部
  に亘って世界観を構築する必要があった――のは見逃してはならない点です。


  正直、冗長で、読み切るには忍耐が必要ですが、シリーズ読者
  なら、必読の真相も明らかにされるので、読んで損はありません。

  とにかく長いので、時間が十分ある時に読むことをおススメいたします。
  



勿体無い・・・ ★★☆☆☆
綾辻さんの小説は「暗黒館の殺人」まで全て読んでいます。
切れ味鋭い作品が多いだけに、今回は残念でした。

この小説がコンパクトに書かれていたら・・・館シリーズの中でも傑作になっていたはず。

でも、内容は良かったです。
作品に詰め込まれたトリック・アイデアは素晴らしいと思います。動機は面白かった。

暗黒館に関しては、ミステリを読み慣れた方なら早い段階で真相らしきものが読めます。
今まではラストでびっくりさせられることが多かったのですが、今回は特に無かった。
あと、これだけ無駄に長いと伏線の意味あるんだろうか・・・。
時計館や霧越邸は長いと感じなかったのに・・・。

本格ミステリを期待して読むと辛いかもしれません。
仕掛けのある怪奇小説という趣です。
読む人を選びそう… ★★★★☆
☆は4つだけど、ちょっと甘めかな。正直☆3つ半くらいです。

読む前に絶対に今までの館シリーズを読破しておくことをオススメします。

それでないと、せっかくの「オチ」の驚きが半減(いやそれ以下かも)します。館シリーズの集大成という評判を聞いて私もこの作品を読む前に全部読み返しておいたのですが、そうしておいて良かったと心から思っていますね。

ただ、オチそのものについては「十角館」「時計館」に比べるとそんなに優れているとは思いません。事件そのものよりもその「オチ」と、不気味な館の世界を楽しむといった方がいいかもしれません。あるいは、“集大成”とはよく言ったもので、今までの館シリーズとは違い、今までこのシリーズを愛読してきた読者に対する「作者からのプレゼント」とでもいったような感じでしょうか…今まで数々の「館」を見てきたからこそ、あの「オチ」に驚愕することができるのだと思います。
あの「一行」で読者を驚かせるために、作者はこの長〜〜〜い話を書いたのではないかなと思いました。

他の方も書いておられましたが、途中、イライラさせられる箇所が多いです。長い話なのでどんな伏線があったのかも忘れそうになってしまうし(それってもったいないことですよね)、肝心な所で(誰かが重要なことを口にしようとすると、意表を突いた邪魔が入るとか)物語が中断される場面が多くて…なのでここまで長くする必要性もなかったのかなって思いました。“視点”についても、繰り返し繰り返し描写されるので、読んでいてちょっとしんどくなってくる箇所も。

全てを明らかにすることがいいとは思わないけど、ラストももうちょっと「事件のその後」を見せてほしかったような気もしますただ、玄児と“中也”の関係についてこちらの想像を掻き立ててしまうような描写もいくつかあり、その辺についてはぼやかしてあるのも良いかと思いますが。

もしやこの「暗黒館」で最後なのかと思いましたが、「びっくり館」があるのですね。その後も執筆予定とのことですし、この大作を超えて次はどんな作品になるのか楽しみです!
新本格の旗手だったのは過去なんでしょうか... ★★☆☆☆
内容については他の方が述べられていますので、そちらを参考にしていただいくとして...

ミステリとして捉えなければ、重厚なファンタジーとして楽しめたかもしれません。
しかしこれは氏のデビュー作から続く"館シリーズ"なので、ミステリとして手に取りました。
私の高校時代、綾辻氏は島田荘司にその才能を見いだされ、新本格ミステリの一翼を担う存在でした。
当時の私は、新本格と名のつくミステリを読みあさり、新本格と従来の作品の違いが分からないながらも、ある作品では個性的な探偵に惹かれ、またある作品では幻想的な雰囲気に酔い、またまたあるときはどんでん返しに次ぐどんでん返しのトリックに頭がついていかず、何度もページを遡ってはトリックの周到さに驚かされていました。
その当時は、才気あふれる”新本格"の作家さんが、多彩なミステリを執筆されていました。
けれど、どんなに新機軸を投入しようとも、提示された謎は解決するという原則は守られていました。
残念なことに氏のこの作品では、謎は謎のままでそっとしておこうという、姿勢が感じされ「なんで、"館シリーズ"、ミステリとして執筆したんだ?」という疑問を抱かざるをえませんでした。
やっぱり長い・・・ ★★★☆☆
核心に迫ろうとすると邪魔が入る、という流れが延々続き、
視点の変わり方にも仕掛けがあるのはよくわかるのだが、
くどいぐらいな書き方に、読んでいて正直
長い!と腹立たしくなったところはある。

トリックも偶然任せというか、それあり!?と思わなくもないが、
私自身は単純に面白いとは思った。
それだけに、この無駄に長いとしか思えない展開が悔やまれる。