発達的支援は、可能性を追求する試みです。この本は、そういう意味で軽度発達障害に悩む人々に対して、改善の可能性と希望を提供しています。残念ながら軽度発達障害の対処法として決定的な方法はまだ確立されていません。その理由は、一人一人の有り様が異なるからです。ですから広い視点で可能性を追求する必要があり、この本に書かれている対処法があるということを知ることはとても重要だと思います。軽度発達障害で悩まれている人に貴重な情報として、この本を薦めたいと思います。

自分が読んでから、自閉症児を持つ親である親友に手渡した（こういった本も手渡せる間柄だから）。電話がかかってきて、「いくつかの情報は知っていたが、知らなかった情報の方が多かった」と言われた。「ありがとう」と感謝された。この本は、『自閉症を含む軽度発達障害の子を持つ親のために』真面目に研究し、真面目に執筆された本だと思う。そして、タイトル通り、難しい内容も、親にわかってもらおうと誰にでもわかるように気づかった文章で書かれている。アメリカの婦人の手記からはじまるが、実に感動的に綴られていて、それだけでも治療の可能性のヒントを得られるに違いないと思う。

　子どもに発達障害があれば親は藁をもつかむ気持ちでしょうから、この本のように「治る」ことが強調されていると、飛びつきたくなるかもしれません。でも、特定の療法が特効薬のようにうたわれていたら、気をつけたほうがいいです。発達障害はそんななまやさしいものではありません。親の私たちが、そして誰よりも当の子どもたちが、身にしみていちばんよく分かっています。
　この本をお作りになったのは心理系の方々のようですが、発達障害はこころの病ではありませんし、教育や福祉、労働政策のような社会のシステムで支援していくことがとても大事なので、個人の心を扱う心理学の発想にはあまりなじまないのではないでしょうか。それに、医療行為については医学畑の専門家にきちんと解説していただきたいと思います。
　今、いろいろな学問や宗教、政治、商売の分野で発達障害が新しい市場になると考えられていて、発達障害はブームになっていますね。便乗組もたくさん登場し、わけの分からないことも起きてきます。情報はないよりあったほうがいいけれど、たくさんすぎると、その中で溺れてしまいますね。「目利き」のような力を私たち親はもっともっと身につけていかなければいけない時代になったということでしょうか。

「自閉症とはこれこれこういう症状である」という内容や「周りの助けを受けて云々」という本が多すぎてまたか・・という気になりますが、本書は「少しでもわが子が自分自身で暮らしやすくしていくにはどういう方法があるのか」という親の願いに対して様々なアプローチ方法が示されています。
どれを選ぶのも親の責任でというのは代わりはありませんが知っててしないのと知らないのとでは雲泥の差でしょう。
一般の専門家ではない人にもわかりやすいないようであると思います。

なんだか批判的に書いてる人もいるけど、実際にこれらの療法を行った事があるんでしょうか？自閉症は治らないと誰が決めてるのでしょうか？
昔は治らないとされていたけれど、医療が進んで治るようになった病気がたくさんあるんですよ。自閉症も後天的な要素で発症している場合もあるんです。後天的なら原因が必ずあります。原因があれば、その対処方法もあるのです。
この本はその対処方法をひとつに限らず、今日本で行える全ての種類を紹介してくれています。どれか一つをクローズアップした本はありましたが、この本は1冊で全部分かるので、何かできることがあるはずだ！と悩んでる人には最適だと思います。とても分かりやすいので躊躇している方にも取り掛かるきっかけを作ってくれると思います。専門知識のない私にも抵抗なく頭に入っていきました。