一途な信仰のすえ、死んだのちに口に白い蓮華を咲かせた五位の入道(「往生絵巻」)、陰謀により最愛の娘を目の前で焼かれ、それでもなお、屏風絵を完成させた良秀(「地獄変」)、好色の平中のあらゆるアプローチに残酷に拒否し続ける侍従(「好色」)・・・・。
何かを信じ続ける心、凛とした信念を持ち続けようとする心、これこそ芥川の求めてやまないあこがれだったのかもしれません。