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奉教人の死 (新潮文庫)
価格: ¥464
カテゴリ:
文庫
ブランド:
新潮社
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芥川のキリスト教批判:殉教の描き方に注目
★★★★☆
芥川の伴天連ものを集めた作品集だが、「神々の微笑」に代表されるようにキリスト教に対して批評的/傍観者的スタンスな作品が多い点が特徴的である。そして、そのようなキリスト教及び宗教に対する醒めた眼差しがあるため、本書に収められた多くの作品が悲劇に終わるのだが、特に宗教史上は美しく語られがちな「殉教」がことごとく何か失敗してたり(笑)、後の創作作品になる程、殉教者の人格/内面が俗人的に描かれている点などは興味深い。(そういう意味では、一番有名な「奉教人の死」は習作的で、この作品で死を遂げる主人公は典型的なキリスト者である。)
後に自死を選ぶことになる芥川がキリスト教的な「救済」から距離を取ったのは当たり前といえば当たり前なのだが、そういう点も含めてキリスト教文学として読むと真逆の読み心地に肩透かしを食らうかもしれない。でも、そういう一筋縄でいかないところが芥川らしい短編技巧だったりする。
文体を武器として
★★★★★
「奉教人の死」という本を、いや、文体を読んでいると 芥川龍之介というお方は本当に才気に溢れた方だったと今なお思うしかない。
村上春樹が 小説家とは自分の文体で勝負するしかないと どこかで言っているのを聴いて以来 ささやかながら僕自身として 自分の文体に気を使っている。勿論 普通のサラリーマンであるので 小説を書くわけではないが 例えば会社の報告書においても 文体に拘る気持ちが強くなっている。考えてみると このレビューも文章の練習とも言える。
その「文体」という面で芥川を振り返ると 実に多彩な文体を駆使したことが分かる。本書と 「秋」と「杜氏春」と「蜃気楼」を 同じ作家が書いたことは俄かには信じられない。いずれも 全く異なった文体であり かつ 各々が実に精緻極まりないからである。
結局 そんな「多彩さ」が 彼のネックになったのかもしれない。芥川という剃刀は無類の切れ味ながら 刃こぼれし易かった。壊れた剃刀は 使っている人には危険であることは言うまでもない。自滅し自壊した作家という意味では 太宰とはまた別の悲劇を 芥川は演じることになった。若くして亡くなったが ある意味では老衰すら思わせる人生だった。僕はそう思う。
どう解釈したらいいの?
★★★☆☆
芥川の作品には、しばしば 皮肉と純粋が同居するが
そこにキリストが混じることで
益々複雑で おもしろいものとなっているように思う。
「奉教人の死」「報恩記」がおもしろかった。
すげぇ生麦文学!
★★★★★
実験好き好き芥川の才気FULL活動な短編集っす!のっけから「煙草と悪魔」やられましたねぇ〜ぇぇぃ・・・所々入れる皮肉の毒味が堪らんっす!「神神の微笑」とか「おぎん」とか「奉教人の死」とか、このひと一作一作文体とか変えまくり変えまくりで、古典使ってRe-make/Re-model!遊びまくりな芥川やっぱ知的っててサイコサイコッすよ!
言葉使いに、びびらない。
★★★★☆
表題作、最高に面白いです。
話の運び、特に伏線の張り方などは、圧巻。
文体、言葉使いなどは、最初とっつきにくいかも知れませんが、
それを補ってあまりある話の面白さがあります。
びびらずに読み進みましょう。
(教科書にも掲載されているので、そんなに難解ではないはず。)
仰天の結末に、天を仰ぎ見ること必至!
この作品を読むだけでも、かなり価値あると思います。
『報恩記』『おぎん』『おしの』も、面白かったです。
ちなみに文語体の作品は、私にはめちゃんこ難解でした・・・。