副題にあるとおり、著者は「歴史的記録と史実をもって..歴史」しています。所謂会計史家が、時間をかけ自分の興味のある分野に集中した結果が本書と言えるでしょう。学術書の出版で高名な有斐閣が本書をこのような高い値段で出版するということは、最近問題になっているエンロンやワ−ルドコムなどに起因する粉飾（会計（士？）破綻．．．同系列の本を著者は訳している）と絡めて商戦を考えているのかも知れません。多くの注、古めかしい言い方などいささか読み辛く感じますが、これも「歴史する」結果でしょう。

著者には、歴史と記録に基づく記述もさることながら、その社会的背景（制度を作り・発展させた）や会計学（会計理論）・監査論の発展などとも絡めて展開していただけたらと思いました。