アルバム・タイトルは収録曲の中で一番ムードのある曲名を取ったもの。村治佳織のイメージにもよく合っていて、ファンにアピールすること請け合いだ。しかし、もっと説明的につけるなら「カオリ・プレイズ・ロドリーゴ」になるだろう。なぜなら、村治佳織がここで弾いているのはすべてロドリーゴの作曲した曲だからだ。
また、演奏の質に言及するなら、いささか無粋ではあるが「ヤング・アンド・ワイルド」あたりか。村治佳織の元気にハジケた面が出たアルバムだからだ。メリハリがきいた演奏ということで一番にあげたいのは、「小麦畑で」。金属的で冷たい音色とソフトであたたかい音色の対比が印象的で、しかもそれらの交代がなんとも自然におこなわれる。うたごころも十分だ。「祈りと踊り」での躍動感、とくにダイナミクスの変化の大きさにも魅了される。「三つのスペイン風小品」では少し力みすぎた感があるが、それもまた健康的な覇気の表れときこえてすがすがしい。もちろん、ただがむしゃらに弾いているというわけではない。「ヘネラリーフェのほとり」「古風なティエント」でのトレモロやアルペジオなどの繊細なテクニックは、手の込んだデザートや金銀細工にも似た見事な仕事ぶり。最後に置かれた表題曲では、それまでの興奮をさますような静かな演奏をきかせる。
「アランフェス協奏曲」の抒情的なメロディーで知られるロドリーゴには、こんなモダンで実験的な面もあったのかと教えてくれるありがたいアルバムである。(松本泰樹)
話題だから聴いてみたが、がっかりした。
★☆☆☆☆
今話題の人だから聴いてみましたが、大萩康司さんの『シエロ』の素晴らしい演奏を聴いた後だったからか、とてもがっかりしました。音が出ていないし、下手だし、個性が無い演奏なんです。録音が酷いだけとは思えないんです。『パストラル』だけが駄作なのか、それともいつもこんな演奏なのか、誰か教えて下さい。ラジオを聴いていると、優しそうなおねえさんなんだけどなぁ...。
落ち着いた音楽を聴きたい人に
★★★☆☆
ギターというのは派手さはないが、落ち着いた気分にさせてくれる。村治の演奏には何かを狙ったところはなく、ギターの魅力を素直に受け取ることが出来る。ものがギターだけに、小さめのヴォリュームにしないとその良さが伝わってこない。ミニコンポ推奨盤。
クラシックはよくわからないけど・・・
★★★★★
花びらがゆっくりと咲き始める、そんなゆったりとしたギターの音色に誘われ、ついうつらうつらとしてしまうような気持ちいい音楽。アランフェス交響曲などの作曲者であるスペインのロドリーゴの作品集、なんて言ってもクラシックにはまったく疎いのでよーわからんのであるが、この音色の美しさはわかる。現代的な感性による解釈と、若さ溢れるしなやかな演奏がいい。
ブラボー! ロドリーゴ佳織
★★★★★
佳織ちゃん(ごめんなさい、ちゃん呼ばわり、許して)のアルバムで、これ結構いけてるわねえ。ロドリーゴというとアランフェスや貴紳が有名だけど、ここに収められた小品は、いいわ。特に、「3つのスペイン風小品」、佳織ちゃんの瑞々しい演奏がぴったしこん。レスプランドールにも、そのひとつ「ファンタンゴ」が収められてるけど、こちらは3曲全部。「パッサカリア」は最高!
それと、秀逸なのは「祈りと踊り」、もう、まいった! ちょっとだけ注文つけるとすると、アルバムタイトルの「パストラル」、もう少しゆったありと弾いて下さいませ。ごめんなさい。でも、とにかく全体からして、ブラボー、ロドリーゴ佳織!って感じ。