こんな病気もありますという参考の為の本
★★★☆☆
躁鬱病は元々非常に珍しい病気なので判定が難しい。医師ですら判断ミスをします。
残念ながら本格的な躁鬱病本というのは少ないうえ筆者の固有の思い込みもあり、
決定的な本は無いと思います。本1冊で良くなる程、お手軽な病気でも無いので。
たなかみるさんは他にも症状を抱えているので、必ず万人が当てはまる訳はありま
せん。当然、必ず参考になるという訳ではありません。
実際、私も躁鬱病ですが、たなかさんとは症状はかなり違います。ただ、躁鬱病は
気分の上下変動で、その時々で極端に態度が変わります。家族・友人ですら、病気
と気づかず、単なるわがままで処理してしまうことがあります。
この本をマニュアルとして扱うのではなく、そういえばそういう症状を伴う病気が
有ったようなと、周囲が気づいて上げられるための簡単な、参考本として見るのが
正しいと思います。
この病気は本人が一番症状を理解しづらいのが特徴です。それで何度えらい目に、
有ったことか。
ですから利用法は
1)家族が共通の認識を持つため
2)本人が自らの症状を自覚する為。
ただし正直、この本は病気の初期・重篤期に読んでも意味が無いですね。初期では
認識が全く無いですからほぼ自覚出来ないでしょうし、症状が重くなれば、自覚ど
ころか悪影響が出るかも知れません。たなかさんの症状に危険な内容が含まれてい
る上に隔離型の精神病医院の描写があります。これでは余計な心配の為、変なスト
レスをためかねません。
ですから本人が読む場合は、症状が緩和し周囲との協力関係が良好になって、少々
きつくても、時間をおけば気分調節ができてくるようになり、冷静な自分がいる事
を認知できるまではお勧めできません。
私も、進められたのは回復基調が明確になってからでした。
そういう本だと割り切って使えば有効利用できるように思います。この感想自身、
私の経験則ですから、病気の方が自分から手に取ると言う本ではないかもしれませ
ん。
病状を把握しているカウンセラーさんなどから、進められるという様な場合が一番
良いタイミングかもしれません。
もの凄い矛盾
★☆☆☆☆
双極性2型障害(躁うつ病)の罹患者です。
このマンガの中で2点気をつけなければいけない事あります。
■境界性人格障害の割合がかなり濃い事
作者は合併しているようです。
後に、境界性人格障害も含めた本も出版なさっていますが
この本を読んで「躁うつ病」一般を認識してしまうのは間違いです。
■このマンガでの主人公(作者)は自分が躁うつ病と知りながら、真っ向から
躁うつ病と向き合い治療している訳ではない可能性がある事。
それは作者が双極性障害の治療には基本中の基本である気分安定薬(リーマス、デパケン等)
を飲んでいないことから生じる疑問です。
双極性障害であるにもかかわらず気分が落ち込んだ時に抗うつ薬を単剤で処方して貰うように
医師にお願いしている場面もあります。対処療法的に薬をお願いしているのです。
双極性障害の患者が抗うつ薬を単剤で服用すると躁転し、症状は悪化します。
気分安定薬を飲まないその理由はおそらく
●「創作意欲」と「ネタ」がなくなるからでしょう
このマンガは双極性障害(躁うつ病)と知りかつ適切な治療を自ら怠っていながら
ご自身を「躁うつ病のモデル」として描いているという矛盾を孕んでいるのです。
躁うつ病の方に作家や芸術家は多いといいます。
作品の為に敢えて薬を飲まなかったりする事は作品の為なら、生活の糧となるなら
それもその人の一つの選択肢なのかもしれません。
しかし、この作品に限ってはそれを認める事ができません。
自分自身で症状を悪化させておきながら、それをネタとし一般啓蒙書として売り出しているからです。
敢えて自身の症状を悪化させそれをネタとし、かつ一般化している事。
それを知らずに一般の人が躁うつ病を理解されると他の罹患者にとっては迷惑の以外何者でもありません。
楽しく大変参考になりました。(精神科医師)
★★★★★
著者自身の体験記はまれです。半分マンガ半分文章の本(左のページがマンガ、右のページが文章)です。躁うつ病の患者さん自身の本を読んだのは、これが初めてです。医療従事者では判らないことがよく表わされています。本人は「医師を探そう」の章で、「5人目にしてイイ医師に巡り会うことができました」といっています。その前の4人の医師の対応が詳しく報告されていて、医師としてわたしもそんなかもと、反省させられます。本人はラピッドサイクラーといって、躁とうつを短期間に繰り返すタイプのようで、躁鬱が混合している時期もあり、診断はすぐには難しいタイプのようです。2回の入院の報告も、リアルで感心しました。合併した他の精神科疾患(摂食障害、軽度アルコール依存症、強迫神経症)も報告してあるのは、丁寧と思いました。患者さんだけでなく、医療従事者にもお勧めの本です。
タイトルが違うのでは?
★☆☆☆☆
私は同業者で同じ病気で現在も通院中、治療中である。
躁鬱病をもっと家族に知ってもらいたくて、漫画も入って読みやすいであろうこの著書を家族の為に購入した。
しかしそれは大きな間違いであった、理由は筆者が躁鬱病ではないからだ(確かに躁鬱病の症状も出てはいるし、先生の診療も私と同じだ)。
あとがきを読むと精神科の先生の診断が間違っている事がわかる、しかもそれはそれを認めているとしか思えないあとがきである。
これからこの著書を読む人はこのタイトルに、騙されてはいけない。
この著者は「境界性人格障害・BPD」であると思われる。
というか、次に出した本が見事に「境界性人格障害・BPD」の著書である事がそれを物語っている。
私ももっと調べてから、買うべきだったと反省している。
ふざけすぎ
★☆☆☆☆
はっきり言って、この方の本はおすすめできません。
特に同じような病気の人には。漫画にして、面白おかしく書いているが本文の会話などの大阪弁が言葉悪すぎる。
大阪人みんながそうと思われたくないし。
文才なさすぎる。
安易に読むべき物ではない。
出版社も考えてほしい。