時期を考慮すれば、かなりの良書
★★★★☆
市中の病院に勤務する薬剤師です。
6年制の薬学部に在学する薬学部生には精読の価値がある書籍だと思います。
本書に記載されている未知の情報を、深く精査する価値があります。
現職の薬剤師にも、病歴サマリー(はじめの病歴紹介)の部分や
解説の部分で、知識の補充に役に立つと思います。
例えば、今までの薬剤管理指導などで(除外診断で)確認していない部分がなかったか、など…。
私は、4年制の薬学部を卒業した薬剤師ですが
臨床については、ほぼ独学でした(このような方は多いと思いますが…)。
いままで、洋書や医学部用の書籍を利用して学習してきました。
洋書では、薬物療法の位置づけが、日本と異なる部分があります。
医学部用の書籍は、薬物療法よりも、診断に重点が置かれています。
本書のように日本の臨床薬学に焦点をあてた書籍は、
私が知る限り、ほとんどありません。
その点において、本書は非常に貴重です。
一方で、臨床薬学の情報として現実的に臨床で利用されるには
さらに洗練される必要もあろうかと思います。
しかし他の書籍と比較すると
本書には、精読する価値が十分にあります。
今後、類書の出版を期待します。
また、改訂版により、情報が更に洗練されることを期待します。