意欲作、コアなオペラファンにも
★★★★★
既にカリスマ的な人気のあるコロラトゥーラ・メゾ、チェチーリア・バルトリにとって、既に知られている歌曲を録音して新しいCDにまとめることは簡単だったろう。しかし、彼女は楽な道を選ばなかった。ほとんど知られていない(ゆえに人気もない)ヴィヴァルディのアリアを復活させて、オペラファンに突き付けたのだ。しかも彼女自らトリノの図書館に通い、手書きの楽譜を読むことから始めたそうだ。芸術に対しての、深い情熱を感じる。
その情熱が歌唱にも表われている。もともと彼女の声には重力のようなオーラがあり、人を引き付ける。そこに誰にもまねのできないようなウルトラCの技巧が加わって、完璧な表現に昇華させている。バロックながらも感情的な表現を楽しんで下さい。