フランスの国情とアラビック・ポップ・ミュージックの関係
★★★★★
ブリジット・フォンテーヌ(とアレスキ)の音楽的なピークは、「ラジオのように」の69年前後と考えがちだが、77年という、ディスコとパンクの時代に出された、全33曲の二枚組アルバムである本作を聴くと、そういった評価は表層的であるとわかる。
また、強烈な個性のブリジットの黒子的存在としてしか認識していなかったアレスキ・ベルカセムの真の実力というか、音楽的な才能が遺憾なく発揮された作品とも取れる。
彼については知るところが少なかったが、本作の書き下ろしの解説を読むと、これまで全く知識が無かったフランスにおけるアラビック・ミュージックの関係がよく判り、少しイメージが沸いてきた。
音楽そのものも、思ったよりは難解ではなく、親しみやすい(?)シンセの響きもある。少なくとも、オノ・ヨーコよりは聴きやすいと思うのだが...
なお、本作にはボーナスが1曲加えられているが、2003年発売時には、「ブリジット3」にボーナスとして追加されていた曲。
オーマガトキのリイシューは、ジャケットの紙も厚く、ライナーも新規書き下ろし、対訳付きで、親切だと思う。アーティストに対する尊敬の念が高いせいだろう。