先見の明がある経営者
★★★★★
昭和41年に書かれている本です。
内容としては主に日本とアメリカの人材の採用から育成までの違いを中心に述べられています。
会社が人を採用する時に、その人の能力を見るか、学歴を見るかの違いがあると言う点を中心に日米の違いを比較しています。
当時はアメリカの方がかなり先進国だったので、アメリカの制度のいいところを取り入れていくべきだ、という内容になっています。
当時としては衝撃的な内容だったのではないでしょうか。
ただ、文庫版用に昭和61年に行われた城山三郎氏との対談が追記されています。
これを読むと日本型の経営方式、人事制度も評価しており、本文との落差が非常に面白く感じました。
今読んでも納得できる内容が多かったです。
本だけでなく事実も考慮して
★★★☆☆
SONY盟友の井深さんは「幼稚園からでは遅すぎる」と言う本を書き、早期教育を促している。これは「お受験」に熱く燃える母親のバイブルである。またSONYの新卒内定者の7割以上が東大、早稲田、慶応のたった3大学で占められていると言われる。
私は、恐らく盛田さんや井深さんは学歴や受験の重要性を説いているのではないと思う。
ただそれをもって「=お受験」であるとか「=中卒、高卒でOK」と考えるとイタい目に合うと思われる。本田宗一郎は高卒だが、後に静岡大の聴講生となった。彼も学歴不要論者だが、必要なければ聴講生になってなかったはずである。
彼らが言いたいことは、「中身が大事だよ」と言うことである(当たり前だけど)。
タイトルが強烈なので、読者の咀嚼が必要になると思われる。
内容は素晴らしいんだが……
★☆☆☆☆
知っている人は知っている。オツムのあまりよろしくない自分の息子を入社させるためにこの本が書かれたことを……。今のソニーの内情は慶応や東京工業電気通信などの学閥人事(特に慶応)で悪名高い。「学歴を問わない」はずなのに気がつけば学閥人事。井深氏のもと燦然と輝いた技術のソニーは風前の灯火…
人事部無用
★★★★★
才能をどこで身につけたかを問わない学歴無用社会を実現するには、現在のような人事部主導の一括採用を改める必要がある。人事部の人たちは、特定の仕事で才能を発揮するタイプではなく、どの仕事でもそこその成果を挙げるオールラウンドプレーヤーを採用したがるため、人事部が採用活動に関与すればするほど、学歴に基づいた無難な採用にならざるを得ない。新卒者を人事部が一括採用し、採用後にさまざまな部署(職種)に割り当てる現在のやり方では、著者の望む人材は得られない。
この考え方が最高です。
★★★★★
ホンダに本田宗一郎、藤澤武夫がいればソニーには井深大、そして盛田昭夫がいる。私が盛田さんを知ったのは、恥ずかしながら2年前です。たぶん、それまでにテレビにでていても気にもならなかった。どこで、どのようなめぐり合いがあったかわからないが、この本を手にした。考え方、行動、まさにフロンティア(開拓者)スピリットがほとばしる。信念を感じる。ブランドをつくるというのは、こうするんだよ。小さい会社でも世界的な視野で仕事をしていけば、いつかソニーのようになれるよ。そう感じる本です。初めて読んだときは涙がでました。良書です。「ユニークな技術、優れた技術がソニーを支える」そのユニークで柔軟な考え方には盛田昭夫のスピリットが根底にあるんだと思います。ソニーの人はうらやましいと少し嫉妬!