パラっとした本
★★☆☆☆
著者によると、本書は
「政策の妥当性を吟味したり効果を確認したりする行政官の方々」と、
「政策案を立案したり議論したりする議員、NPO、市民組織」のための本。
あまり「統計学者」や「各専門領域の研究者」、「コンサルタント・業者」
向けの本ではないので、ご注意を。
Excelの使い方約90ページと、
手計算による平均値や回帰式の推計方法約40ページ、
MINITABとSPSSの簡単な説明約20ページ。
Excelや手計算による標準偏差の求め方は?
グラフはどうやって描くの?
回帰分析はどうやったらできるの?
という疑問をお持ちの方には役立つかもしれない。
著者の政策評価理論は展開されていない。
また、重回帰分析以上のことは書かれていない。
だいぶパラっと書かれており(文字が大きく、行間が広い)、図表も多い。
式や値の解釈の仕方もパラっと簡単に説明しようとしているのだが、
字足らずで逆に難しい。
自信をもって分析結果を読み取るためには、
本書だけではなく、計量経済学や統計学の本を読んでおく必要がある。