最近、質的研究法に関する書籍が出版が多くなっている。総論は分かるのだが、具体的にその方法を実施した場合、どのような展開になるのかが、分からない書物が多い中、ようやく卒論あるいは修論をまとめるのに役に立ちそうな、書物が出版されてきた。本書もその１つであるが、願わくば、もう少し手の内を明かすというか、実際の論文を一部変更して、それが出来上がるまで、どのような流れをたどったか、明確に記述していただきたい。
　大学生や院生が、ある量的レベルを超えると、このような書物は必要になるということは、既に米国では常識となっている。東京書籍の「研究事例で学ぶ・・・」もそのような流れをしっかりと捉えている。誰にでも分かると言っては失礼かも知れないが、そのような状況にあるということを踏まえて、今後の出版に期待したい。
　お薦めできる書籍であり、他のシリーズも読破予定である。