この絵本のテーマはどろだんごなのでどのページも黄土色の手と茶色の泥が描かれています。色調に派手さがなく、単調で地味なので、絵本を買う身としてはなんとなく損した気分になっていました。ですが、子供にはとても楽しい本のようで、何回も「読んで読んで」とせがまれます。特に「ぺちゃぺちゃにゅるにゅるぺったんぺったんにぎにぎ」や「おむすびころころうんうんにぎろ」などリアリティのあるおもしろい音が表現されていて、聞くのが楽しいようです。それに「あーっひびが入った」などのちょっとした災難や友達との競争など3,4歳の何気ない日常生活をうまく物語に織り込んでいて、子供は感情移入しやすいようです。大人になると忘れてしまっていますが、確かにあった幼児時代の日常が、この本を読むと思い起こされます。

子どもの作るどろだんごって、すごいと思いませんか？形も上手ですが、
うまく作ったものは、落しても割れません。いつもどうしてこんな芸術
作品ができるのか、と思います。これは、そんなどろだんごのお話です。
文章は軽快でとても読みやすく、皆がどろだんごを作ったり遊んだりし
ている様子がとても上手に表現されています。子どもも大好きでした。

親子ともに好きだったのは、どろだんごを「だれもしらないところに
かくそうっと」という台詞です。その気持ち、とても良く分かります！