今この瞬間に死にたいよ
★★★☆☆
今回の主役はこの台詞を言ったロドリーゴ船長!とにかくおめでとう。
助演賞はゴールドバーク監督。とにかく今まででてきた欧州の濃い方々とひと味ちがうキャラ。太文字で言う台詞は最高!
その他ヴィレッタ、イザベッラ、エミリアのパーテイ大好きトリオが面白い。
それにしても織部さんは膨大な服飾の知識をどのようにして習得したんだろう?マリオ親方からかな?彼は初期の熱血服飾漫画の主人公から現代の服飾鳥獣戯画の進行役になったようです。仕事一途だけど野心家でなく飄々としたキャラで。
沈んだ時にこそ力強く花開く文化
★★★★☆
織部ご一行の世界周遊もついに終わり次巻からは再びナポリが舞台になりそうですが、その前にアメリカはハリウッドでひと騒動が巻き起こります。
悠の友人であるパンツ職人ロドリーゴが主役として抜擢された映画は、第二次世界大戦前夜のアメリカを描いたもの。当時の雰囲気を再現する衣装のコーディネートを依頼された悠の仕事に導かれるように、紳士服の歴史が紐解かれます。折よくというべきか悪しくというべきか、当時の経済情勢と現在には似通ったところもあり、紳士服の話題だけではなく、色々と示唆的なストーリーもあります。(a)ナチス(b)ヒトラーというところでしょう。
あまり重たい話ばかりでも良くないと思ったのか、撮影中断のタイミングを利用して、サイドストーリーも繰り広げられます。絵柄も少し軽くギャグ要素も満載。でも今回は、完全に悠は脇役の扱いでしたね。
ハリウッドで、ロドリゴの主演映画が
★★★☆☆
王様の仕立て屋、サルトフィニートの最新刊です。
今回はなんと、あのロドリーゴがゴールドバーグ監督(あまりにあの有名監督に近過ぎて大丈夫か?)の映画に主演が決まったところから物語は幕をあけます。ロドリーゴを始めとする、主演出演者のそれぞれの悩みやトラブルが解決するものの、いきなりのアメリカ発の世界不況のために頓挫しかけるところをどうするか、というような展開でまさに今日的なお話で楽しめました。
どういうシチュエーション、無茶な設定でもきっちりと服飾の話で解決してしまう強引さと話作りの巧さはすでに天才的といって領域にまで高まってきていますが、こうなんでも軽々と主人公の織部悠が事件を解決してしまうと、彼をとことん困らせる難題や依頼がこないものかとさえ思うくらいです。
まぁ、でも、総じて十分に楽しめる安定感のある漫画です。