「ジョンの魂」とでもいいましょうか…
★★★★★
JMのキャリアを総括する4枚組Boxセット(7609=1976〜2009ってこと!)これまたヘビーな作品だね。リストを見てもらえばお分かりの通り、数多のヒット曲なんぞことごとく排除した、ポップスターとしての側面ではなく、アメリカの現実、それも「人種」「貧困」「犯罪」「戦争」といった、ある種の「暗黒面」ともいうべき「現実」を、鋭利なナイフで抉るかのような曲や(タイトルの「Rural Route」は、レイプされて殺された、10歳の女の子の事件を題材にしているし…)、「生と死」を見つめ直した、極めてパーソナルな曲ばかりをずらりと並べた、ある意味“ジョンの魂”ともいうべき作品かもね。
“taught the fear of Jesus in a small town”と、かつて表した「古き良きアメリカ」をテーマとした作品の世界観では、もはやジョンの詩作(とその深化)を捉えることはできないんだよね。特に「Trouble No More」以降の作品は、アメリカの現実というか「ダークサイド」をも告発していくと心に誓ったかのような作品が続き、サウンド・プロダクションも詩作のテーマに沿ってか、ブルースやフォークといった、泥臭いルーツミュージックに舵を切ってきていることを改めて再認識させられたね。特に「Freedom’s Road」「Life, Death, Love & Freedom」からは8曲づつと、この2枚のアルバムテーマをさらに推し進めたセットとも言えるんだよね。「Rural Route」は前者に、オープニング曲「Longest Days」は後者に納められていることが象徴的。で、こうなると、「Hurt’s So Good」や「Small Town」、「Paper in Fire」、「Crumblin’Down」、「Wild Night」、「Get A Leg Up」そして「ROCK in the USA」なんかは、このセットにどう考えても入る余地などないということ。
個人的には「American Fool」以降の作品を全て所有する、JMの大ファンではあるのだが、正直「Human Wheels」以降の作品では、のめりこむことは少なくなった。まぁ、シングル曲含めた2〜3曲気に入った曲があれば、「あぁ、JMは相変わらず元気だな…」くらいの感想でしかなかった。なので今作のリストを見ても、実は最初はどのアルバムに収録されている曲なのかよくわからず、直近の作品が多いにも関わらず、「未発表曲がテンコ盛り!?」と勘違いしてしまったくらい。「Rain on the Scarecrow」「Love & Happiness」なんかのロックチューンも、より曲のテーマに沿った「Rough Harvest」ヴァージョンを収録、古い曲も録り直したりリミックスしたり、果ては“詩の朗読”に置き換えるなどの徹底ぶり。それはボスが、「Born in the USA」をもはや、キーボードを高らかに鳴らした80年代オリジナルでは決して再演しないのとどこか似た感覚なのかもしれない。
仕様としては、BOXとはあるものの、重厚な写真集のような仕上がり(白黒だけど…)で、詳細なライナーに曲ごとの解説付き。4枚組だけど200分足らずで未発表曲や未発表デモはほんのわずか。だからといって物足りないかと言えばそんなことはなく、テーマ性を持たせた編集は非常に一貫性を伴って充実しており、4枚組のニューアルバム(!)としてじっくり堪能できたことは間違いない。その意味で★5つとはしたんだが、まぁ間違っても、他人にむやみにお勧めできる作品ではないことは間違いない(笑)。
それと、これからも彼の歌を心底欲するんだろうかという思いも少なからず抱いてしまったのも事実なんだよねぇ。この路線ばかりだと、ちょっと滅入るんだよなぁ…。
良い。でも良く分からない。
★★★★☆
ジョン・クーガーのボックスが出る!四枚組み!これは買わなければ!と勢い込んだのですが、
事前情報が乏しく(英語が読めないんです)、どうにも怖い。
年代別ベストっぽいけど、セレクトされた曲がどうもそうでは無いような・・・
ぇええい、ま、ええわい!ええやないか!と買いました。
んで聴きました。
ジョン・クーガー自体最近のアルバムは真面目に聞いていなかったのですが、
やはり選曲基準、というより、ボックスのコンセプトが理解出来ませんでした。
知らん曲が多いし・・・、知っている曲もアレンジされているし・・・(再レコーディング?)
という訳で、ジョン・クーガーの最新作四枚組みという気分で聞いています。
全体に何らかのコンセプトが感じられ、伴い気合が入っているので、全然悪くないんです。
識者の方、どなたかご教授頂けないでしょうか?