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生命40億年全史

価格: ¥2,520
カテゴリ: 単行本
ブランド: 草思社
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素晴らしいストーリィ・テラーによる生命40億年の歴史 ★★★★★
この地球に生命が生まれて40億年、500頁近い大著ではあるが一冊に纏めるのは大変なことであろう。著者は深い学識と最新の研究成果をもとにこれに挑戦した。
兎にも角にもこの試みは成功している。本書を一読するだけで生命の出現と進化そして現在に至るまでの生命40億年の歴史が展望できる。関わる研究者たちの忌憚ないプロフィール、文学や歴史に対する深い洞察に支えられた記述は読みやすく素晴らしい物語となっている。

生命の歴史には地球環境の変化、特にプレートテクニクス理論による大陸の移動が深く関わっている。この点については、親切な図表などはないので、別途に資料(参考書・ウェブ)を参照しながら読むことをお勧めする。
生命の出現とその発展。そして人類はどうしてこのように暮らしていかなければならないのか。 ★★★★☆
この本は題の如く生命が初めて地球に誕生してから人類に至るまでの壮大な歴史物語である。わたしは基本的には、いつの時代にどんな生物が生存していたかとかどのように絶滅したかという歴史については興味はない。興味があるのは、無機物しか存在していなかった地球から如何にしてはじめての生命が生まれることができたのか、そしてそれがどうして動き出すことができたのかなどである。そのような類の本を読んだこともあるがこの本は前半で時系列的にこの問題を説明しているので頭の中がスッキリしたように感じる。

それから現在に生きる人類の業のようなものがどのように生物の発達と関連あるのかがところどころに散りばめられていて、時々哲学的な夢想に引き込まれた。例えば、「動物は自分の食い扶持を他人に頼る居候のようなもの。植物は独力で成長と増殖のための栄養分を作り出している。」とか「共生による太古の平和を粗野なやり方でかき乱す真の動物、性的な衝動や攻撃的な性質に満ち満ちた捕食者あるいは搾取者」という動物の定義。もうひとつ、「捕食者が現れ、またその捕食者の捕食者が現れ、捕食者・被捕食者の関係が生物の新たな進化を推し進めていく」。捕食者の頂点に位置する人類の運命に、う〜〜〜ん、と唸ってしまった。
なんか感動 ★★★★★
私は古生物学の知識はあまりないのですが、この本を読み、シアノバクテリアが酸素をプクプク吐き出す描写から、なんか感動してしまいました。
内容が濃いので一気に読むことはできないですが、いろいろと想像しながらじわじわと読み進めていくと本当に楽しいです。

ある程度の知識がある人に最適 ★★★★★
著名な三葉虫の研究者フォーティによる生命史。
邦題だとわからないですが,原題は「Life」です。グールドの「ワンダフル・ライフ」に対してのもの,ともいわれています。
生命全史をつむぎながら,実はさりげなく「カンブリアのビッグバン」についても重要なことが触れられていたりします。
古生代についてくわしいのは,さすがにフォーティというところでしょうか。
古生物知識がなくてもおもしろいと思いますが,ほかの方も書かれているように,古生物の復元イラストがありません。
古生物名でどんな生物か思い起こせたり,一通り進化の流れが頭に入っている人には,
なお面白い名著です。
「生命の歴史」の語りを味わう ★★★★★
 「生命の歴史」は,とても人気のあるテーマなのだろう。あらゆるタイプの本が出尽くしている感がある。そのなかで,本書は特別に目立ったものではなく,刊行当時は同工異曲の一冊だろうと思って手に取らなかった。四年経って読んでみて驚いた。これは類書とは一線を画す「名作」だと思った。
 語りの文章がすばらしい。例えば個人的に好きなのは,石炭紀の森林の描写。まるでその場の空気を吸っているような気分になれる。また,内容も知見の羅列ではなく,この分野の研究成果を著者が咀嚼したうえで上手にアレンジしている。著者の実体験や,研究のエピソードもちりばめ,非専門家も飽きさせない。ただし議論の残るところには,さりげなく異論を提示するなど学者としての誠実さも好ましい。
 この本の魅力の元を推測すると,第一に,書かれていることの何百倍,何千倍もの知識の中から素材を精選して本書を造り上げていること。それだけに素材が有機的に結びついて,きれいな流れをつくっているのだと思う。第二に,著者はこの研究が心底好きなのだろうということ。声高には記されていないが,地球のこと,生命のこと,それらを探求することを語るのが,楽しくて仕方ないと著者は感じているのではないか。それが行間から読者に伝わって,読み手も幸せな気分にさせてくれる。他の本には代え難い「作品」なのだと思う。
 「地球の歴史」は好きだけど,“進化本”は何冊も読んでしまって,あるいは専門的な知識があって,いまさらもう一冊読む気はないという方にもお勧めだと思います。むしろそういう方のほうが,本書をより深く楽しめるのではないでしょうか。