徹頭徹尾、実践の人
★★★★★
「104歳の禅師」、宮崎禅師。
お年を召したせいもあると思うが、禅師の語り口はとても穏やかで、
言葉もとてもシンプルで無駄がない。ユーモラスでさえある。
禅師の言葉には、宗教という絶対的真理を背負った人に
ありがちな、上からの目線を全く感じない。
その代わり、100年もの間、ただひたすらに一心に禅の修行に
打ち込んできた人ならではの、静かな迫力がある。
偉くなると大言壮語を吐く人が多い中、これこそが本物の
実践を重ねてきた人だと感じた。こんな人は他にいない。
宮崎禅師の生き様は、この番組のディレクターが書いた
「坐禅をすれば善き人となる」に詳しい。
禅師があの静かな境地に至るまで、どれだけ長く厳しい修行が
積み重なられてきたかが書かれている。
世間的には有名ではないが、一度観たら決して忘れられない人だ。