Study To Be Quiet 〜〜おだやかなることを学べ〜〜
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開高健は
(1)何よりもまず、小説家であった。
(2)優れたジャーナリストでもあった。
(3)コピーライターという言葉が定着する前に、最高のコピーライターだった。
(4)「食」「酒」「パイプ」を愛するグルマンでもあった。
(5)そして、釣り師であり、ナチュラリストであり、旅人であった。
本書は、(5)についての、通史と言える名著である。
圧巻は第15章(pp.145-151)。
『オーパ!』の取材メモが、死後、見つかったのである。
開高健ファンなら、取材の際に開高がメモを採らないスタイルを貫いたことを知っていよう。
しかし、8穴バインダー式、ポケットサイズの黒い手帳に、47枚のリフィルが残されていた。
カバー表紙裏の写真、本文(p.149)の写真を、とくと御覧いただきたい。
コペルニクス的大発見である。
是非、『続編』を拝読したい。期待しております!
参考になります
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ゆっくり読みたい本です。
今まで知らなかった開高健に会えるかもしれません。
ともすると同じ話しばかり聞かされる事が多く有ると不満なあなたへ。
一読の価値はあります。
夜寝る前に毎日ゆっくりゆっくり読んでいたい、そんな本です。
知らなかった開高大兄が見えます
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いつもだったら半日で読み終わるボリューム(頁数)なのだが、中々読み進めない! (流し読みできない)
文章は読みやすい(当然面白い)のだが、一話読む度に立ち止り、昔を思い出し感傷的になる。
一文一文が強く海馬を刺激し、懐古的憧憬に脳と心が支配される。
開高大兄のアンビバレントな魅力を再認識できる一冊、開高ファンなら思わずニヤリとするシーンが満載で、久しぶりに本棚に眠った大兄の本を取り出したくなった。
中高生の僕にとって、(強い憬れとともに)様々な意味で影響を与えてくれた人物「開高健」
文中に、大兄が37歳で経験した「完璧な、どこにも傷のない、稀な一日」の件を読み、その時の大兄に近い年齢になった今の自分を省みれば、未だ何も見つけていない事に焦燥感も覚える、しかし、今一度、初心に戻り、自分なりの「完璧な、どこにも傷のない、稀な一日」を探し求めてみたい。