第2版の出るのを待つべき
★☆☆☆☆
爬虫両生類のフィールド図鑑は現在はかなり需要があると思うし,実際に何冊も出ているがほとんどは問題の有る本である.まともな解説付きで,内容が正しく,写真の同定のあまり間違いがなく、外国産のペットとして売っている近縁種とかのよけいな部分のない図鑑がこうまででないのは何故なんだろうか?
この本はそういう問題有る本の新たな1冊である.多少とも日本の爬虫類に関心がある人間なら次々と気づく写真同定や分布、分類、生態等のミス.学名の誤り.「カメは外骨格」とかの生物学的な本とは思えないような主観的な表記.イシガメ科を突然アジアガメ科と表記するのは筆者の勝手だがイシガメ科という表記も所々でてくるのはいただけない(直し忘れ?).
この本で最も問題となるのはオビトカゲモドキに関する「法的には採集が禁止されていないため、ペット目的で乱獲されている」という記述.このトカゲモドキは2003年4月22日付で鹿児島県の天然記念物に指定され、2004年3月2日付で鹿児島県指定希少野生動植物にも指定されており,当然採集は禁止.4年程時代おくれである.夏休み前にこんな本を販売して,この本片手に奄美でのオビトカゲモドキの違法採集にいそしむ人が出そうでおそろしい.これがなきゃ星2つでもよかったんだけど,これがために限りなく0というよりマイナスに近い星1つです.
正直購入は間違い探しをしたい人にしか薦めません.そのうち誤り直した第2版を出すでしょうからそっちのほうがよいでしょう.