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気候変動の文明史 NTT出版ライブラリーレゾナント006

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: NTT出版
Amazon.co.jpで確認
唖然 ★★☆☆☆
安田さんの著作は以前から興味深く思っていたのだが,この本を購入し,読みはじめて「え?」と感じた.これ以上読み進められないかも知れない.

イントロである第一章がおわり,いよいよ本題である第二章に入って一頁目で,おかしな記述がある.

大陸氷河がある時代を氷河時代という.つまり,現在は「氷河時代」だ.
氷河時代のうち,比較的寒い時代を「氷期」といい,比較的暖かい時代を「間氷期」という.

安田さんは,過去90万年に「氷河時代」と「間氷期」が繰り返していると書いている.気候を論じている人が,こんな基本的なことを...?

さらに,化石有孔虫の酸素同位体比から導き出された10万年周期を最初に発見したのがミランコビッチだと書いてある.ミランコビッチはそんな研究はしていない.

また,10万年周期をミランコビッチ・サイクルだと書いているが,ミランコビッチ・サイクルの周期はほかにもある.

ダイジョブだろかこの人.ひょっとして「トンデモ本」?
それならそれで面白いかも.
重要度がます本書の指摘 ★★★★★
2005年の夏、アメリカで大型ハリケーンが起こった。
不思議なことに、米国の報道で耳にするのは、
自国の危機管理体制についての批判のみ。
地球規模で進んでいる温暖化が原因では?
という指摘は、ほとんど聞こえてこなかった。

本書が、批判しているのはまさに、この行き過ぎた「人間中心主義」。
人間の手ですべてをコントロールできるという
思い上がりが、これまで地球環境を悪化させてきた。
だが、今おきつつあるのは、
文明レベルでの気候変動である。
この状況で人間が生きていくためには、
これまでの人間中心主義では、限界がきている。
それに代わって、火急の問題として導入すべき価値観。
それは・・

本書が発刊されて約1年。
毎年、「災害年」と名づけなければいけないような事態を見るにつけ、
本書の指摘はますます重要度がましているように思われる。

ちょっとSF・ミステリーチックな読み物として・・・ ★★★☆☆
本書は,地球温暖化に焦点を当てているわけではない.

気候変動というのは,これまでにも何度も何度も起きているもの.
われわれ人類が誕生した後も,何度となく発生している.
過去に起きた気候変動に対して,人類がどう対応してきたのか?

著者をはじめとするグループによるこれまでの研究成果から,それをひもときつつ,
著者自身のユニークな歴史観と共に紹介している.

ヨーロッパの温暖・寒冷時の様子は,他書でもよく見かけるが,本書で特徴的なのは我が日本におけるこれまでの気候変動の影響と歴史的同行との関連性を述べた第三章から第五章にかけて.

実際どれだけ信頼のおけるものなのか,これから慎重に見ていきたいところだが,気候変動が我々日本人の持っている歴史観に影響を与えている興味深い節で,読み物としても十分楽しめる.

現在進行しつつあるとされている温暖化が,あたかも人類史上初のものであるかのような印象を与える昨今の風潮とは一線を画し,気候は変動するモノであり,人類はこれまでにそういう変動に翻弄されながらも対応し,いまにいたっていることを示している点で好感が持てる内容であった.

思い入れが過ぎます ★★☆☆☆
著者の危機感が空回りしていると感じました。
危機感には大いに賛同しますが、私は学術的な記述を期待していたので、十分な証拠を提示しないまま、様々な出来事を断定してしまう本書の記述スタイルには違和感を覚えました。小さな証拠から巨視的な現象への関連づけが強引すぎます。これでは内容を信頼できません。