できるかどうか
★★★★☆
かめきちシリーズの1作目。
3年生のかめきちのドタバタとおもろい夏休みを、勢いよく描いた作品だ。
夏休みの自由研究というのが曲者で、出す方も出される方も漠然とした
イメージのなかで、「とりあえずやってみました」的なところに落ちつくのが
相場ではなかろうか。
うちも複数の小学生がいた頃は、親子で頭を悩ませたものだ。
あげくに口も手も出て、「いったい誰の宿題なん?」ってことに……。
かめきちもご多分に漏れず自由研究に悩み、難航する。
調子のいいしんごと組んで“研究”にとりかかってはみたものの、
妹のこいちゃんは泣かすわ、かあちゃんには怒られるわ、さんざんだ。
長谷川義史さんのイラストも物語をひっぱっていくパワーを添えていて
楽しめる。
とうちゃんとかあちゃんのボケとツッコミのような会話も健在。
かめきち一家の日常はパワフルだ。お互いの感情や気持ちをきちんと
ぶつけあって、やりとりしているところがいい。
コミカルなテンポながら、かめきちの内面もきっちり描かれていて
子どものこころの小さな襞がかわいい。
さあて、自由研究はどうなったか?
担任のこぼり先生に説教をくらったんですなあ。
ただし、その内容についてではなかった!
「だははっ」と笑う先生、ええ先生です。