今年の春、満開の桜を見ながら聴き、昔、私の目の前で交通事故にあい、空（そら）になってしまった親友を思い出して、涙が溢れてどうしようもありませんでした。
歌詞の内容とか何も関係ないのに…。

あまりに美しいメロディーのせいでしょうか。

ドラマは見ておらず、タイアップ曲ということも、このレビュー欄を見るまで知りませんでした。
ですから、単純に「平原綾香さんが歌う曲」として聴き、胸が震えました。

いいものはいいということでしょう。

この曲が使われている、ドラマ「優しい時間」は残念ながら見てませんでした。自分がこのCDを購入したのは、恥ずかしながら、マーティ・フリードマンの著書、「いーじゃんJ-POP」に、「これ以上、美しい音楽はないでしょう」と書かれていたからです。

聴いてみると、期待以上に美しい曲でした。それまでは平原さんをあまり評価してなかったのですが、これを聴いて、一変に彼女の声が好きになりました。歌はブレスから始まるのですが、彼女の声は、ブレスをノイズとして感じさせないものです。

シンプルな楽器構成もこの曲の美しさを盛り上げています。特にコントラバスのソロは秀逸ですね。コントラバスをこのように歌わせる事ができるとは知りませんでした。

今後もこのような歌を世に送り出してくれることを期待したいと思います。

何とも素敵な曲です。透明感、瑞々しさ。この曲が使われた「優しい時間」の舞台となった富良野と美瑛というのは、本当に綺麗な場所ですし、とても優しい場所です。雪の白さ、緑の森、花々の鮮やかな色彩が眼に浮かびます。多くの人が求めている「やさしさ」が音楽になったようです。平原さんの声がぴったりです。

平原のこえの効用が最大値を示した作風。それは、メゾピアノ。中低音と評される彼女の声の魅力は、音域云々より内省的な表現力の方が大きい。その内省的な表現は、メゾピアノとたっぷりの想像力によって最大効用を発揮する。おんなごころのひだの抽象部の表現は、当にメゾピアノ、繊細さがいのちなのだ。

平原はそこで自分のイメージを120％泳ぐ。ゆっくりと、ひらりと、しなやかに丁寧に。自分に合ったきれいな水でうれしそうですら、ある。

平原綾香さんの曲は大好きです。いつもチェックしています。すごく透明感があり、音域の広い彼女の歌。この曲は使われた「優しい時間」にぴったりだと思いました。倉本ドラマにぴったり。この曲に限らず、いつも聞くと癒されて、すっきりした気分になれます。