アバンギャルドな美術とディープな内面。人の「業」を描き、そこに巣くうモノノ怪を斬る、薬売りの物語。これはただの怪談でも怪異譚ではない。外面(ビジュアル)の美しさと内面(情念)の醜さを対に描いて、人間の本質をあぶりだそうとする意欲作だ。DVD3巻目となる本作の舞台はなんと牢獄。そこに閉じ込められた女性・お蝶(夫と姑、義弟夫婦の四人を惨殺した咎で市中牽き回しのうえ磔獄門の刑)となぜか同じ牢に閉じ込められた薬売りの会話劇。なぜ、お蝶が殺戮を企てたのか。お蝶の言葉から徐々に、彼女の心に巣くうモノノ怪の存在が浮き彫りになっていく。本作の見どころは、薬売りがモノノ怪に追い詰められるシーンがあるところ。初の敗退かと思いきや……。お蝶の一生を振り返りながらも、最後まで明かされない謎が余韻として尾を引く。はたしてお蝶の恋人の正体はだれか? 観た人それぞれに答えがあるだろう。ぜひ、DVDでじっくりと観て、自分なりの答えを見つけていただきたい。(志田英邦)
解放された誰か
★★★★☆
味のあるストーリー展開です。厳格な母を思い窮屈さに堪え忍ぶ罪人お蝶と、彼女に力を貸したモノノ怪の形と理、そして真。彼女が望めば、それは牢獄となり或いは拳固な城とも成りうる世界。彼女が真に解放し許してやりたかったのは…。その先に何が待とうと彼女に漸く安息の日々が訪れたと解釈します。
美しくも切ない恋
★★★★★
この話がモノノ怪の中でも一番好きかもしれません。
美しくも切ない恋の物語なんです。
どうしてこう、叶わぬ恋って美しく見えるんでしょうね。
演出が二人の愛の切なさを美しく、難しく表現してくれています。
色使いもとてもセンスいいです
薬売りものっぺらぼうもめちゃカッコイイです。
マヂですげー切ない。
現代人の悩みでもあること それがモノノ怪になる
★★★★★
相変わらずのクオリティの高さは言うことがないです。
今回は淡々と話が進んでいくような気もしますが、実はとても奥が深い。
現代に生きる私たちにとっても
何かに強いられたり我慢して生きているものですが、それが度を越しても、無理をする人もいるものです。。
今回それに気づかないお蝶は・・・?
薬売りの言葉によって過去を思い出すお蝶。
考えることをやめ、怒られることを嫌い、人の顔色しか伺えなくなった。
いつのまにか「自分」を失ってしまったということに気づく。
それが 顔をなくすということ。
ラストシーンの考え方は様々だと思いますが、それもこのシリーズの良いところ。
答えは自分の中にあると思います。
難しい‥
★★★★☆
毎回、内容の奥深さが印象的な『モノノ怪』ですが、今回も考えさせられるお話でした。
特にお蝶と母親の関係が現実的にあり得なくも無い感じでとてもリアルでした。
出来れば仮面の男とお蝶には幸せになって欲しかった…。
個人的に解釈の仕方が違ってくるので、「最後にはこうなった」とはっきり断言出来ないのもモノノ怪ならではの魅力ですね。
好きなのですが
★★★★☆
前回、前々回と共に購入させていただきましたが
この「のっぺらぼう」個人的には1位、2位を争うぐらい好きな作品です。
相変わらずの美しい描写にため息が出ます。
が、今回は残念な事に塗り間違いがあります。
TV版の放送当初から気付いていましたが(DVDだと11:54辺りです)
製品版で訂正されるであろうと思っていましたがそうではありませんでした。
些細な事と言えばそうなのですが、商品としての質に関わる事なのでもうちょっと配慮が欲しかったかなぁと思います。
しかし今回はコメンタリーが後半だけですが付いていますので一回見終わった後でも楽しめると思います。
全体的に見れば良い作品なので☆4つです。