70年代の3作
★★★★★
表題作と「氷雨」「女性志願」。
母親の不幸により、身内をなくした主人公は7歳で全寮制のお堅い学校。
ところが、ある日「お父様の不幸」の手紙が届きます。
身寄りのないはずの主人公を、大きなお屋敷が待ち構えています。
お屋敷には厳格なお祖母様、異母兄弟、従姉妹たち。複雑な環境で色々な人間関係が描かれます。
有閑倶楽部の美童くんの原型のような男の子が出てきます。
「氷雨」
ずっと憧れていた先生。けれど、先生はどこか遠い目をしている。
優しい言葉をかけられ、嬉しく思うけれど何か違和感があった。
「女性志願」
背が高くて乱暴で、そばかすがあって太い眉。おまけに弟は女の子顔負けの可愛らしさ。
コンプレックスが後押しして、益々女の子らしく出来ない主人公。
好きになった男の子の周りには、可愛らしく着飾った女の子ばかり。どんどん落ち込む彼女を、最後は素敵な出来事が待っています。