とても面白い本でした
★★★★★
以前この本の元となった学校では教えてくれない日本語の秘密という単行本を図書館で借りて読んだことがあり
この文庫版が出ると知り買いました。鳩という漢字が一番幼児には覚えやすいと知り面白かったです。私個人的
には国語嫌いなのではなくてそれが何を指すかとか筆者の意図は何かとかというような試験のためだけのことを
やらせたりこの筆者もおっしゃっていましたが漢字の学習で止めはね筆順をやかましくしたりといったようなこ
とをやらせそれを国語力とかいい試験をして点数が低いと国語力がないと言われる教育が嫌いにしているだけだ
と思います。もっと言うと日本の教育は本当に試験のためだけのつまらないことが多いと思います。この筆者が
言っているとおり石井式漢字教育のやり方でやれば誰もが国語が好きになると思います。個人的に漢字を覚える
いいやり方は鉄道や路線バスなどを乗ったときに行先や次の停車駅の表示を読んでみるのがいいと思います。振
り仮名を振ってあるので読めると思います。しかし学校教育は実用性のない漢字教育だなとつくづく思います。
私は漢字が難しいというのなら定義をはっきりしてから言うべきだと思います。この漢字は難しいからだめでこ
れはやさしいからいいと言うのは何か肌色が違うといって差別する何かいじめと同じで私は嫌いです。漢字制限
は即刻廃止すべきです。
現代仮名遣いと常用漢字の欠陥がわかる
★★★★☆
私は、学校で現代かなづかいと当用漢字を学んだ世代なので、現在、世間にあふれている日本語について何も不都合は感じていなかった。しかし本書を読んでみると、例えば「ぢ」と「じ」の使い分けルールのあいまいさ、旧字体の「犬」を「大」に変えたり、同じ発音の他の漢字で代用している熟語が多い等、多くの欠陥があることを教えてもらった。
私としては、著者が願うように学校教育で、表記と発音の違いが大きい歴史的仮名遣いや、煩雑な旧漢字を用いるべきだとまでは思わないが、歴史的仮名遣いや旧漢字についての知識なしでは日本語を完璧に使いこなすことが出来ないという主張には確かにそうだなあと納得させられた。
仮名遣いと漢字の在り方を問う
★★★★☆
なぜ地面は「ぢめん」でなく「じめん」なのか。世界中は「せかいじゅう/せかいぢゅう」どちらでも可?
長年、教育の場に携ってきた著者は、こうした仮名遣いの疑問に切り込み、日本語が今のような表記をとることになった背景やいきさつを詳しくたどりながら、その矛盾と問題点を浮き彫りにしていく。
過去の国語改革には、著名な政治家や文豪、知識人なども何らかの形で関わっていて、意外なエピソードが飛び出す。
また、仮名遣いだけでなく、著者は漢字の問題点も豊富な実例を挙げて追及していく。例えば「煽動/扇動」、「衣裳/衣装」といった代用漢字や「藝→芸」のような省略された漢字がもたらす問題点を通じて、過去の国語政策による漢字制限と字体の簡略化が、漢字本来の意味や成り立ちをないがしろにし、漢字間の連関や整合性も損なう事態をもたらしたと批判する。
今日の日本語表記の基底には、昭和21年に制定された「現代かなづかい」と「当用漢字」の規定があり、のちに改訂はあったものの、その影響は学校教育や新聞、書籍などを通じて今も人々に及ぶ。
普段さして疑問も不便も感じずに用いている日本語に対する認識を改めさせられる一冊で、得るところ大でした。
<本書から>
・日本の近代郵便制度の創設者、前島密は漢字廃止論者だった
・仮名遣い改定に対する鴎外、龍之介の反論
・戦後の日本語改革を指揮したGHQ下の“民間情報教育局”
・山本有三が提言した振り仮名(ルビ)廃止論
・福田恆存VS.金田一京助のかなづかい論争 などなど
ルール、いっぱい、いっぱい。
★★★☆☆
主に書き言葉の近代史です。
近代化へと駒を進めたといわれる明治時代以降、
その書き言葉になにがあったのか。
意外なところに、その傷跡がいまなお、
生々しく残っているようです。