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ネオリベラリズムの精神分析―なぜ伝統や文化が求められるのか (光文社新書)

価格: ¥935
カテゴリ: 新書
ブランド: 光文社
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混迷する日本政治に一筋の明かりを照らす ★★★★★
 自民党政権から民主党政権に代わっても、日本の政治は混乱するばかり。冷戦が崩壊しグローバリゼーションが世界に広がり、日本は少子高齢化、財政赤字、大学生の就職難と暗い話が続くばかり。日本国民は戦後の成功体験を失って、右往左往しています。
 いわば、「価値の漂流」が21世紀の日本の現状でしょう。
 それを即座に解決する即効薬はありませんが、この本は、現在日本社会、政治が直面している問題を、精神分析の観点から、非常にするどい切れ味で分析しています。
 もやもやとしてうっ屈している今の日本の社会の中で、この本を読むと、すくなくとも、なぜ我々が今こんなにフラストレートしているか、ということが、かなりはっきりとわかるのではないかと思います。
 もっとも、現在の日本社会・政治が抱える問題は大きく複雑です。何人かの書評子が書いているとおり、この本は分析はしているものの、はっきりとした解決策は書いていません。
 しかし、それは非難されるべきではなく、それだけ我々の抱えている問題が複雑であるということなのでしょう。一冊の本で、「日本の問題はこれで解決できる」などと言っているとしたら、そんなのはインチキに決まっているのですから。
 読みごたえ、噛みごたえのある本です。ただし一回で読破できるようなタマではありません。私は何回も読みなおしましたが、最初の一回目は数カ月かかりました。
ビートたけしと北野武(フランス人好みの映画監督)を精神分析する ★★☆☆☆
誰もが感じる、現代日本の不安定さ。その社会の事象をラカン派の女性精神分析家が読み解いた。
全体的には、新書の枠を越え、専門用語満載のハードな論文だが、
著書の一部で、ぼくのような一般読者でも、興味をひく著名人の精神分析を行っている

北野武は、なぜ笑いと映画の両方に、またがって活動するのか。
著者は、笑いを超えるものを映画で表現したいからだと言う。これは、明らかな誤り。
たけしさんは、笑いも映画も同等にやりたい人である。
映画だけやって文化人ヅラヲするのは、たけしさんが最も忌み嫌うことである。
文化人をやっていると、恥ずかしくてしょうがないので、笑いで照れ隠しをしている。
たけしさんは、ヴォードヴィリアンであってコメディアンではないのである。

細木数子は、なぜヴァラエティに受け入れられるのか。茶化されることを受容するからだという。
著者の説にぼくも賛成。テレビの出演者には、仕切ることで存在価値のある人と、
そこに在る事で存在価値のある人の2種類しか必要でないが、細木さんは明らかに後者。
このポジションにつくと長持ちするのだが、何らかの理由で、番組は終了した。

ところで、精神分析で斬るテレビ番組評って、新しいジャンルとして成立するかも知れない。
著者の樫村さん、いかがですか。ま、やる気はないですよね。

精神分析は、科学ではなく、むしろ社会学や、テレビ評のツール、
できれば性格占いとして生きのびるほうがふさわしい、かもしれません。

付記。ナイナイの岡村さんは、ヴォードヴィリアンであったが、この所、共演者の
あまりの出来なさに、イライラしているのではないか。今後、どんどん、森繁久彌化していくように思える。
渥美清さんなき今、体技で笑いの取れる喜劇役者は、岡村さんしかいない。
ダウンタウンの浜田さんも、それを狙った節があるが、芝居が一本調子過ぎて、撤退を余儀なくされたようである。
難易度の高い入門書 ★★★★☆
 「ラカン派社会学」を提唱する著者の、現代社会学・現代思想の入門書。理論のマクロな枠組みを社会学から借りて、ミクロの部分を精神分析理論で接ぎ木しているという印象。

 流行の理論が矢継ぎ早に紹介されている。今、何が論じられていて、問題とされているのかを、大まかにでも捉えてみたい人には一読の価値があるだろう(著者の措いている諸前提に賛同できるかどうかは別として)。『ラカン派社会学入門』でも感じたが、著者は議論の交通整理に長けている。この本を読めば理論には詳しくなれるが、そこから何を読み取り、どう使うかは、読者の問題となるだろう。

 ただ、全般的に文章が学術チックであり、少々小難しく書いてあるので注意したほうが良い。ギデンズの「再帰性」などの議論に全く触れたことがなければ、すらすらと読みこなすのは難しいだろう。これなら、ギデンズを直接読んだほうがわかりやすいのではないか、と思うほどである。ただ、重要な概念なので、理解しておいて損はない。
題がよくない。『現代思想とポストモダン社会』でよい ★★★★★
はやりを意識して、「ネオリベラリズム」ということばを入れなくてはならなくなったようで、ちょっと気の毒です。
全体として、現代思想を幅広くそして手際よくまとめながら、ポストモダン社会、近代成熟社会を論じています。いいブックガイドになります。
難点は、著者も認めているように、著者が理論、整理に終始し、具体的な処方箋をまったく書けなかった点です。
良心的な分析 ★★★★☆
最近はやりの格差社会モノと思って手に取ると
期待した内容ではないのかもしれない。
哲学史・思想史の最低限の知識がないと
読みこなすのはなかなか困難である。

後半から具体例が出て面白くはなってくるが
トーンは淡々としており、センセーショナルなものを
求めている人も飽きてしまうだろう。

しかしながら、大げさな特殊例や感情論で構成される
昨今の言説と比較すれば、良心的な分析を行っている。
著者も書いている通り、スペースの問題により
具体的な処方箋にまでは踏み込めていないが
ぜひともそこに触れた続編を書いてもらいたいものだ。