フィンランド語の文法はとても複雑で、初心者にはとっつきにくい言語であるのは確かだ。しかし文法はとても重要で、日本語や英語でどの単語を選ぶかが、フィンランド語ではどういう文法を使うかに対応することがよくある。文法の習得はフィンランド語で自分の言いたいことを表現し、相手の言葉を正しく理解するのに不可欠である。だからフィンランド語の教本はどうしても文法を軸にすることになる。これは他の言語で書かれたフィンランド語教本を見ても明らかだ。
この本はその難しさを安易にやさしく見せかけることはせず、正攻法で文法に取り組んでいく。章を追っていくと、どういう表現をしたいときにはどういう文法を使えばいいか、無理なくきちんと習得できるようになっている。
こう書くとフィンランド語は難しすぎると敬遠されてしまうかもしれない。だが恐れることはない。フィンランド人の子どもはみな習得するのだから。学習に行き詰まったら、研究者のホームページにある「フィンランド語質問箱」で質問し、著者に直接答えてもらえるというユニークなサービスも付いている。本気で習得したいなら必ず習得できるという自信を与えてくれる本である。
内容は本格的にフィンランド語の学習をする人のために丁寧に書かれています。
稲垣美晴さんの本でフィンランド語に注目していましたが、この本で本格的にはじめることができました。
フィンランドに関心のある人、訪れる人にお勧めです。