魚釣りに出かけたうさぎのベンジャミンは、海に流されてしまい、たどり着いた小島で、どっさり金銀財宝を見つけます。それを妻のうさぎエミリーの待つ家へ持ち帰ろうと、海の動物たちの力を借りるのですが…… 。
　『しろいうさぎとくろいうさぎ』の続編というより、別のうさぎのカップルの話のように感じました。おすのベンジャミンが「くろいうさぎ」のようになんとなく消極的ではなく、とても楽天的だから(『しろいうさぎとくろいうさぎ』は人種差別への抗議の本とも言われているので、そもそもスタンスが違うのかもしれませんが)。エンディングも、ちょっと照れくさいようなハッピーさですが、年長さんの女の子にはとてもウケそう。
　原画に色をつけたということですけれど、色のない原画も見たい気がします。

『しろいうさぎとくろいうさぎ』が大好きなら、この絵本も大好きなはず。ガース・ウイリアムズの描くふわふわしてやわらかいうさぎが、なんともたまらず魅力があります。小２の娘はこの絵本は『しろいうさぎとくろいうさぎ』のうさぎたちが、結婚した後のお話だといいます。私もそんな気がしてなりません。大切な宝物は、本当は何かおしえてくれる絵本です。