安らぎの一枚
★★★★★
ショパンやラフマニノフ・チャイコフスキーのピアノ協奏曲ではなじみ深い
クライバーンのこのCDは、1971〜75年に録音されました。
ロマン派の最高傑作の一つでもあるリストのピアノソナタを筆頭に、
紅玉の演奏が収められています。
そのピアノソナタは難曲であることを忘れさせてしまうような
余裕たっぷりでわかりやすい表現の弾きっぷりは、聴いていて実に安心します。
グラナドスやラヴェルにおける甘美な旋律も息をのむほどの美しさです。
最後のラフマニノフは、その後のクライバーンのキャリアを
想像しながら聴くと、実にせつない響きに聴こえてしまいます・・・。