森のちいさなお姫さまが窓から外を眺めていると、朝の風さんが「つゆのこ」を送ってきた。流れのほとりで「つゆのこ」は、お姫さまの髪をとかして服を整える。「こけのぼうや」は、朝ごはんの支度をしている。「からすの先生」の授業が終わると、これから楽しい遊びの時間。「きのこぼっこ」のお話を聞いたなら、星の子どもがやってきた。
朝目覚めてから夜眠るまでの、お姫さまの自然に溶け込んだ1日を描いた絵本。著者のジビュレ・フォン・オルファースは1881年生まれ。1916年に世を去るまでに残した8冊の絵本は、ドイツ古典絵本の傑作として長く読みつがれている。
宗教画も手がけたオルファースの絵は様式美を感じさせ、今の時代においてもそのみずみずしさを失ってはいない。自然の豊かさと「見えない存在」のものたちを生き生きと私たちに感じさせてくれる本書は、子どもだけでなく大人の心にも柔らかな気持ちを残してくれる1冊である。(小山由絵)
森の精たちに囲まれて…
★★★★☆
オイリュトミストとして知られる秦さんによる、オルファースの邦訳シリーズ。
’つゆの子’(しずくの妖精?)の描き方なんか、キュートですね。
おひめさまが出てくるのに、きらびやかな雰囲気ではないせいか、
子どもたちはあまり手に取ってくれません。大人向きの絵本(=画集)と言えるかも。
「ねっこぼっこ」「ちょうちょうのくに」も素敵ですよ。
ドイツの古典、イーダ・ボハッタさんの「ほしのこどもたち」「あまだれぽとり」なども
妖精のとらえ方が似ていておススメ。
女の子の夢のような一日
★★★★☆
森のお城に住む小さなお姫様。露の子達に髪を梳かしてもらい、苔の坊やに蜂蜜をもらい、リスさん、小鳥さん、こじかさんと遊んだあとは、星の子達に送ってもらう…。女の子だったら誰しも夢見るような甘い一日を美しく愛らしい絵でつづります。
絵も、一枚一枚額に入れたくなるような、素敵なものです。
美美美美美
★★★★★
オルファースは生涯に八冊の本を残したそうですが、そして私が目にした邦訳のものは五冊ですが、そのなかでも一番のお気に入り。美しい。とってもピュアな気持ちになれる本です。仏壇に飾りましょう。
絵もうまいし綺麗だしストーリーも秀逸、これ以上なにを求める?なんだか神様と対峙しているような感じ、になれますよ。即買。