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哀歌〈上〉

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 毎日新聞社
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民族紛争の深い闇 ★★★☆☆
ホテルルアンダというドキュメンタリー映画を観たのがきっかけで、この本に行き着きました。リアルな残虐な描写にかなりブルーな気持ちになりましたが、人間の本質的な恐ろしさを垣間見たような気がします。
凄まじい悲劇と信仰 ★★★★★
ルワンダにおける大虐殺については、この本(上下)を読むまで知識がほとんどなかったが、その中での想像を絶する人間の残虐さに愕然とした。
暴動に巻き込まれた日本人主人公である修道女がその過酷な運命を受け入れようとする姿に、遠藤周作の小説における隠れキリシタンの受難の姿が重なった。
私は無神論者であるが、どんな苦難のもとにあっても、信仰をよすがにする人は強いのかもしれないと思った。
ルワンダを真正面から見つめよう ★★★★☆
フツがツチを殺す惨劇が仕組まれたものであったことは,既によく知られているが,その惨劇をしっかりと見つめて書かれた良書です。民族問題は,これからの世界に取って克服していくべき非常に重要な問題ですが, そのためには何よりも事実をしっかりと見つめるところから始まるべきでしょう。酷暑の夏にこの本を読むことができたことを嬉しく思っています。
ドキュメンタリー小説として評価したい ★★★★☆
94年、この舞台になった内戦は、06年7月まで映画「ホテル・ルワンダ」として全国ロード中です。克明につづった惨劇の模様には読んでいても圧倒されます。残酷な読み物が苦手な人にはショックの度合いが強いかもしれません。ただ、気になったところを挙げます。

まず、人物描写が十分ではありません。修道女たちが誰が誰やら分からないのはともかく、主人公の春菜、画商の田中、彼の秘書で春菜を助ける布村。鬼気せまる現実のリアリティーにこれだけ心血を注いだのなら、読者がイメージしやすいよう、やはり後編の主要人物についても、もっと細部に手を加えたほうが良かったでしょう。
また、「日本では……(のようなことは当たり前)」とのくだりが前編の随所に述べられていますが、そこだけ浮き上がっています。お説教くさい言葉はしらけるだけです。

もっとも重要なテーマである、子供を産む決意をするところ。春菜が強く生きるほうを選択したからでしょうか。それとも、カソリックの堕胎は罪であるとの教えに逆らえなかったとも解釈できるのでは。もし、そうなら修道院をでる道を歩んだにせよ、信仰という「足枷」から自由になれなかったことを意味します。ここは、それぞれ意見が分かれるところです。

モノにあふれて平和ボケした日本人が、アフリカでは貧しくもかつ悲惨な出来事が、どのような現実として過去のみならず現在においても起こっているのか知る手がかりとして、どうか目をそらさずに真剣に読んで欲しいと思います。
ドキュメンタリー小説として評価したい。 ★★★★☆
94年、この舞台になった内戦は、06年7月まで映画「ホテル・ルワンダ」として全国ロード中です。克明につづった惨劇の模様には読んでいても圧倒されました。残酷な物語を読み慣れていない人にはショックの度合いが強いかもしれません。ただ、気になったところを挙げます。

まず、人物描写が十分ではありません。修道女たちが誰が誰やら分からないのはともかく、主人公の春菜、画商の田中、彼の秘書で春菜を助ける布村。鬼気せまる現実のリアリティーにこれだけ心血を注いだのなら、読者がイメージしやすいよう、やはり後編の主要人物についても、もっと細部に手を加えたほうが良かったでしょう。
また、「日本では……(のようなことは当たり前)」とのくだりが前編の随所に述べられていますが、そこだけ浮き上がっています。お説教くさい言葉はしらけるだけです。

もっとも重要なテーマである、子供を産む決意をするところ。春菜が強く生きるほうを選択したからでしょうか。それとも、カソリックの堕胎は罪であるとの教えに逆らえなかったとも解釈できるのでは。もし、そうなら修道院をでる道を歩んだにせよ、信仰という「足枷」から自由になれなかったことを意味します。ここは、それぞれ意見が分かれるところです。

モノにあふれて平和ボケした日本人が、アフリカでは貧しくもかつ悲惨な出来事が過去だけでなく現在においても起こっているのだと知るためにも、どうか目をそらさずに真剣に読んで欲しいと思います。