しかし、単なるデータを提供するだけでなく、独自の視点も随所に盛り込まれているのがこの本のポイント。特に面白いのは、戊辰の動乱の中で、新政府側と旧幕府側の間で、中小規模の藩がどのように生き残りのための運動をしたか。現代の組織経営にも応用できそうな話である。他に、会津ファンとしては悔しいが、会津=「忠義の士」に対する批判なども説得力がある。
専門書ではないので、非常に読みやすい。幕末歴史ファンであれば一読の価値あり。