サブプライムを理解する良書
★★★☆☆
リーマン・ショックを機に露呈したサブプライムについて、
わかりやすくまとめてある。
また、20世紀のアメリカの金融史やユダヤ系投資についても
まとめてあるのでこの1冊で効率的に理解できる。
やや難なのは図が乏しいこと。チャートや表をもっと駆使し分かりやすさを
強化するともっとよい。
割と一般向け
★★★☆☆
タイトルは『リーマン恐慌』ですが、リーマン・ショックに関連した記述は、驚くほど少ないです。
内容は、現在のマーケットがおかれている状況や、著者の歴史観などでした。
食料や石油など資源の見通しや、アメリカの双子の赤字についての考察は参考になりました。
2008年の金融危機がわかる
★★★★★
2008年の金融危機の原因の概要について、解説している。全体的に専門用語が少なく、金融に詳しくない私でも読みやすかった。金融に詳しい人が読むと既知の事実で物足りないかもしれないが、あまり詳しくない人には、今の金融情勢を理解する上で今、読むのがお薦め。(1年後には、過去の物語になっていると思うので。。。)
元リーマン社員の経験談プラスα
★★★☆☆
前半部分で、「Lehman Brothers」の歴史や「投資銀行」のビジネス・モデルを解説した部分は、著者自身の経験とも相俟って生き生きとした叙述で読ませる。一方、後半部分は多くは類書に記載されたものと同様の内容であり、物足りなさが残った。
それにしても、ファニーメイとフレディーマックの負債と保証債務の残高(6兆ドル)は、やはり米国政府債務(5兆ドル)を上回っているのですね(216頁)。驚愕の数字です。
本質を捉えた名著
★★★★★
本書はサブプライムローン問題に端をなす金融危機の仕組みを非常にシンプルにまとめ上げている。
本書一冊で金融を専門としない方にとっては現在の概況を把握するには十分といえるだろう。
とくに汚染米を例にとってサブプライムローン債が引き起こした信用収縮を説明している個所は明解に本質を突いているといえる。
信用というのは100の事柄のうち1つ2つでも劣悪な事柄が存在していればその他が正しい事柄であったとしてもすべての信用を失墜させるの足るものである。
また本書がより以上に評価されてしかるべきなのは金融機関に在籍していた著者が金融という一分野の本質を驕らずに冷静に客観的に捉えていることだろう。
他のレビュアーも指摘されている通り金融とは本来実体経済を支える黒子であるべき存在である。
そもそも金融業界とはインフラであるわけだから、主役に踊り出るべきではない、というよりは主役になることが許されないものである。
それをこれまで金融こそが世界を支配するという大いなる誤解のもとに支配されてきたことを外野ではなく内部にいた著者のような方が正確に指摘していることこそ本書の価値を引き上げているといえる。
現在の世界経済を簡潔に知りたい方はぜひ一読していただきたい。
またさらに専門的な内容を知りたい方は本書を導入として専門書に入れば良いだろう。