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開高健ルポルタージュ選集 日本人の遊び場 (光文社文庫)

価格: ¥520
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光文社
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開高、慧眼 ★★★★★
「ずばり東京」とならぶルポ集の傑作。

青山ボウリング場、船橋ヘルスセンター、釣堀、ナイター映画(オールナイトね)・・・50代中盤以上の人にとっては、多少なりともなじみのある場所が取材対象となっている。当方、「すがれた昭和のオジサン」ゆえ、本書を読んで、なつかしくなかったといえばウソになる。が、同時に、「ショボイ場所で遊んでいたことよ」と苦い笑いも浮かんできた。21世紀の今だからそう思うのである。開高健は、ちがう。リアルタイムでショボさを見抜き、閉口しつつもほほ笑んでいるの趣が伝わってくる。つまり、開高の射程は、「遊び下手の日本人」のメンタリティにおよんでいるのだ。慧眼の批評である。だから、対象は消え去っても、開高の文章は生きつづけている。

「日本人の遊び場」が書かれて47年。依然として、日本人は遊び下手だ。いや、PCとケータイの普及で、「遊び場」自体が衰弱している。遊び場所は、自室。オモチャは、ケータイか、PC。「すがれた昭和のオジサン」は、本書の冒頭に引用される植木等のように「わびしいなぁ・・・」とつぶやくが、それも世の趨勢、「引きこもり」が、日本人には合っているのかもしれない。
今読んでこそ最高に面白い! ★★★★★

1963年(昭和三十八年)に週刊朝日に連載された、いわゆる「盛り場探訪ルポルタージュ」の始祖であり、マスターピース。ボウリング、大衆マンモス食堂、パチンコ・・・・・と、高度経済成長時代、つまりは45年も前の「日本の遊び場」が名文家・開高の手により、まさに活写されている。凄いのは、今読んでもまったく古さを感じないこと。その理由はずばり、開高が「遊び場」の本質を捉えているからに違いないと思う。「遊び場」の本質とは「娯楽ビジネス」の本質でもあり、そしてこの本には実に多くのビジネスヒントが隠されているともいえる。45年前の日本から、45年前の開高健から学ぶべき点は実に多い。