今作はジャズ・バラッド・アルバム
★★★★★
前作『ROSA』は原点回帰とも言える彼女のギターと歌だけによるとてもシンプルで 心が洗われる傑作ボサ・ノヴァ・アルバムでした。そしてあれから2年。今回の新作は打って変ってなんと完璧な(?)ジャズ・バラード(○○ー・レコードや○○ユニオンで「前作に続いて弾き語り...」とあるのは大間違いです)。しかも取り上げた曲はイヴァン・リンス、A.C.ジョビン、ジャバン、ジョアン・ドナート、マルコス・ヴァリー、シコ・ブアルキ 等 大物ブラジル作曲家の作品集ですが全くブラジルの匂いをさせないアレンジがこのアルバムの大きな魅力になっています。と言うよりホーザの優しくゆったりとしたいつもの歌声に控えめなサポート陣が素敵に絡んで超一級のジャズ・ヴォーカル・アルバムに仕立てています。ライブでの反応が良かったとのことで彼女自ら持ち込んだ企画というだけにまるでライブ・アルバムを聴いているかのような錯覚に陥ります。多分このアルバムで新たなファンを増やすことでしょう。もう「スカートを履いたジョアン」という代名詞は不要です。このアルバム、できればCDショップではブラジル・コーナーでなくジャズ・ヴォーカル・コーナーで紹介して欲しいです。