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侍はこわい 時代小説 短編集 (光文社文庫)

価格: ¥560
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光文社
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司馬遼太郎の描く女性は魅力的 ★★★★★
大昔に司馬遼太郎は男は描けるが、女は駄目だといっていた。しかし、本書、短編シリーズでその評価が覆る。それぞれに何と面白い女性たちが登場することか。韃靼疾風録で小説の筆を折ってしまった作者の初期の自由奔放な作風が魅力。
娯楽に徹した小説集 ★★★☆☆
司馬遼太郎の小説というと、読み終わるとその時代のことにも詳しくなっているような気がする。
物語として楽しむ以外にも、「おもしろくてためになる」小説というイメージだ。

しかし、そこは直木賞作家。娯楽に徹することも可能なのだということが、この『侍はこわい』を読めばよく分かる。
そして、楽しめる。

権平五千石
;幸せって、なんだろうと考えさせられる。

豪傑と小壺
;戦国時代の武士は、命がけで欲望を満たそうとしていたことが窺われる。

狐斬り
;?

忍者四貫目の死
;忍者とは、透明人間のようなもの。

みょうが斎の武術
;こういう武芸者がカッコイイ。

庄兵衛稲荷
;時代小説で関西弁を違和感なく使えるのは司馬遼太郎くらい!

侍はこわい
;実は町人は侍をばかにしている?

ただいま十六歳
;希望に燃える人を描かせたら、司馬遼太郎に及ぶ人はいない。
司馬遼太郎は長編のイメージがありますが・・・、 ★★★★★
短編にも素晴らしい作品がたくさんあります。

この作家を五年以上読み続けて、その事を実感しています。

長編も良いですが、長いため寄り道もけっこうあります。(勿論、悪い意味ではありません。)
しかし、短編では、(短いため当然ですが)無駄が無く、竹を割ったかのような快活な文章が気持ちよく、僕は大好きです。

この作品に出てくる主人公達は、地味な人物が多いですが、地味な人間には、地味な人間なりの人生があり、とても共感できます。

司馬遼太郎は天才だな・・・と改めて感じました。

コメディ、忍者、伝奇、史伝とバラエティ豊かな初期短編集 ★★★★☆
昭和34年〜40年に書かれたの8つの短編。

司馬は当時35歳から41歳。勤めていた産経新聞社を退社して作家活動に専念したのは37歳、この時期を境に作風が変化していくのだが、その前後の短編を集めている点で興味ぶかい。

以下、発表年順に簡単に内容を紹介する。

【豪傑と小壺】昭和34年
 馬を担ぎ上げるほどの豪傑、稲津忠兵衛。だが運に恵まれず武功を立てることができない。不本意な人生を嘆く鬱屈した男の情念を描く。

【みょうが斎の武術】昭和35年
 犬猫になりきるという奇妙奇天烈な修行法を編み出した大坂の剣客、久富源五郎。初期に多く見られる大坂にわか(=滑稽な寸劇)もので、大阪弁の掛け合いと「けったいな」剣技が見もの。

【庄兵衛稲荷】昭和35年
 これも大坂にわかもの。大坂で町人のちょっとした尊敬を集める「気儘人」猿霞堂庄兵衛。手練手管で武家の若後家を篭絡しようと奔走する一生懸命さがおかしい。

【忍者四貫目の死】昭和36年
 信長の命を狙う武田の忍者知道軒道人と、それを防ぐ任務を帯びた3人の忍者との戦い。結末の畳み込むようなどんでん返しが秀逸。

【侍はこわい】昭和36年
 武家に嫁いだ商家出の妻。新撰組に暗殺された上司の仇を討とうする夫。妻は実家の番頭と謀り仇に金を持たせて逃がしてしまう。町人と侍の価値観のズレを描く。

【狐斬り】昭和37年
 生涯をかけて会得した剣の境地が、中年を過ぎて得た若い妻への執着のために動揺する。妻の浮気心を狐の影にして障子に映し切り殺す。伝奇ものの味わい。

【ただいま十六歳】昭和39年
 少年の頃の近藤勇を幼馴染の女友達の目をとおして鮮やかに描く。理想に燃える青春がまぶしい。

【権平五千石】昭和40年
 秀吉譜代の家来として数々の武功をたてたが、加藤清正ら同僚が十万石の大名になるなか、ひとり五千石のまま放置された平野権平の鬱懐の人生。
歴史を肌で感じることのできる本です。 ★★★★☆
歴史の表舞台に出てこない下級武士や庶民を主人公にして、史実に基づいて書かれた短編集です。
下級武士や庶民を題材にした歴史小説の登場人物のほとんどが、架空の人物であるのに対して、この本に出てくる登場人物たちは無名の人物ですが実在の人物です。
大名や将軍になった英雄・傑物たちの視線ではく、小市民のストーリーがとても新鮮です。
庶民や下級武士を知ることにより、その時代をリアリティのある現実として感じることができました。
ヒーローたちの活躍する舞台としてではなく、匂いも色もある現実として、その時代を感じることができました。

それにしても史料の少ない庶民や下級武士の実話を描けてしまう司馬さんの博識は、驚くばかりです。
しかも講釈じみた史料の引用や史実であることの言及はなしに、実にテンポ良く書いています。
司馬さんのファンであろうがなかろうが、歴史小説が好きな人は必読です。