通称シケタイジュニア。名前の由来は、司法試験の参考書である「伊藤真試験対策講座（シケタイ）」からきたものと思われる。本書は「伊藤真試験対策講座」を公務員試験向けに編集し直したものであり、その圧倒的なボリュームに驚かされる。伊藤塾いわく「テキスト、問題集、記述対策すべて一冊に凝縮したオールインワンタイプのテキスト」と銘打っているが、実際はテキストが大部分を占め、各章の終わりに申し訳程度の一問一答のコーナーと過去問が数問載っており、ややバランスが悪い。欲を言えば、もっとテキスト部分を公務員試験向けにシェイプアップするとともに、過去問を増やして欲しいところではある。しかしながら、国1向けの市販されている参考書は、「国 I バイブルシリーズ」と「一冊で合格シリーズ」の2冊しかなく、「国 I バイブルシリーズ」は要点整理型の参考書でなので、独学に不向きである。一方、「一冊で合格シリーズ」は理解重視型の参考書（文章は講義風に書かれており読みやすいと評判）なので、独学で国1を目指すのに適当な書籍は本書しかないというのが現状である。

何度か読んでみましたが、私としては少し信頼性に欠けるように感じられました。
ページ数が多いので仕方が無いのかも知れませんが、まず、誤植が多い。
丁寧に例を提示してくれるのはありがたいのですが、その内容が明らかに誤っている箇所がある。

過去問の解説が丁寧なのは良いのですが、比較的重要な事柄を解説にだらだらと書くくらいならば、本文に直接書いて欲しい、と思う事がしばしば。それにどうしてその選択枝が間違っているのかきちんと説明せずに、あまり重要とは思えないことを数行に渡って書いているという箇所も見受けられました。

おまけに正答が間違っている問題があった（他の出版社の同一問題で確認済み）。
700ページ近くあるのでチェックも大変なのかも知れませんが、問題の正答を間違うような事はしないで欲しいと思います。

全体的として悪くない参考書だとは思いますけれども、私としては他社の某書を選んで置けば良かったとは思わずにはいられません。