世界を裏で操る勢力を見事にあぶり出した名著
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第二次世界大戦直前の時期のアメリカ人に、これほど真実の世界情勢が見えていた人物は他にいないのではないだろうか?すべての指摘が、見えにくい真実を鋭く見抜いている。
特筆すべきは、当時のアメリカが、共産勢力によってコントロールされていたことを明確に述べている点である。当時のコミンテルンの資料によれば、自らの勢力拡大のためには資本主義国家同士を戦わせる必要があるとして、アメリカと日本を戦わせようとしていたことが明白な事実として述べられている。
さらには、1898の米西戦争と1917年の第一次世界大戦でも彼等によって望まない戦争に駆り立てられたとも。
日独伊3国だけがアメリカの目の敵にされた理由についてもはっきりと述べられている。それは、反共に加えて国際金融の力を借りずに独自で資金調達を行なっている国である、ということだ。つまり、本当の歴史を動かしているのは、ロスチャイルドやロックフェラーなどの国際金融資本勢力なのである。
中国に実際に住み、中国国内の動きと、それを報道するアメリカの新聞の垂れ流す嘘、プロパガンダをともに知る著者には真実の歴史の動きが見えたのである。深い洞察力の賜物であろうが。
この本を読むことで、学校で習った歴史を根本から覆される。アメリカ政府内に巣食っていた共産勢力が意図的に日米の和平交渉が頓挫するように誘導し、日本に真珠湾を攻撃させたことは歴史の常識化しつつあるが、その下準備として、アメリカの共産勢力が牛耳るメディアが親共国家の悪事には目をつぶり、反共国家の行為には必要以上に騒ぎ立て、それどころか根も葉もない噂話を撒き散らし、必死にアメリカ国内の親中反日独伊感情を煽ったのである。
世間に流布する歴史がいかに虚構に満ちたものであるかを痛感させられる、心から拍手喝采を贈りたくなる名著である。
歴史は繰り返すのでしょうか?
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マスコミがウソを垂れ流し、無責任に中国を絶賛する。この本が70年も前のものとは思えないのは私だけではないはずだ。まるで現在進行形のような錯覚さえ感じる必読の書です。そろそろ気づかなければ世界は再び同じ道を歩むかもしれないね・・。
ラルフタウンゼントは男の中の男
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ラルフタウンゼントは男の中の男である。
自分の国のことを真に憂いて、世論を牛耳るマスコミを敵にまわしても直言を辞さなかった。その結果、逮捕までされるという目にあってしまう。
彼は日米戦争の結末を見て何を思っただろうか。
また、戦後起こった東アジアでの動乱をどのように見ていただろうか。ラルフのその後、が気になる。
ちなみにラルフが逮捕された際の「(外国エージェント登録法)ForeignAgentsRegistrationAct」であるが、現在でも連邦法として有効。あのマイクホンダが献金を受けているというコリアゲートも登録??
それにしても、と思う。
40年代アメリカと今の日本のマスメディアの状況はそっくりではないか。
まさか植草一秀氏も???
いや、さすがにそれはないか。
はめられたアメリカ
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太平洋戦争の原因を探る試みは、戦後六十年たった今でも続けられている。その努力は、日本の過去における「間違い探し」に集中していた。本書の発刊により新しい視点が提示された。「閉ざされた言語空間」を破る鍵がここにある。日本の過去に向けられた眼差しを、アメリカの過去に向けることができた時、日本人の精神は、占領統治時代の呪縛から開放されるにちがいない。
本書は「暗黒大陸中国の真実」の続編である。著者のラルフ・タウンゼントは、アメリカの国益という観点から、断固たる日本擁護論を主張していた。彼によれば、日本はアメリカの世界第三位の得意先で、支払いもちゃんとしており、国民も友好的で、満州国建国後の輸出も順調だった。これは当時の商務省の数字などから示された事実で、彼の主張は多くの人に受け入れられていた。だがアメリカの国益に興味を持たない「国際主義者」たちが、執拗に反日を煽り続け、ついにアメリカは、対日戦争を決意するに至るのである。
この謀略はソ連が仕組んだものだった。アメリカはソ連にはめられたのである。日本の和平工作が空しいものとなった背景にはこのような事情があったのである。国際政治とは恐ろしい。
当時の国内情勢を、タウンゼントは日本への手紙の中で次のように訴えている。「現在米国の言論は主としてボルシェヴィズム論者及びその愛好者のニュース根源から発せられ」「今日米国の左翼労働者は極端にロシアに親密だ、日本はボルシェヴィズムの敵対者として知られている、従って日本に有利なニュースを提供する新聞紙は労働争議を惹起す」当時の新聞の切り抜きとその解説を見るだけで、日本の不利は明白であった。
歴史とは総合的に見るべきものである。この方面から今後、新たな研究成果が得られることを期待したい。研究者必読の書である。