２０１０年現在、２０１２年完成予定を目指して復元工事まっただ中の東京駅駅舎。
その計画から、建設工事、完成祝典、関東大震災時の様子、戦時忠の空襲による被災、戦後の修復工事などが当時の写真、絵葉書、地図などを用いて分りやすく示されている。まさに「百聞は一見にしかず」である。
東京駅を中心とした都市交通も市電系統図の変貌が手に取るように分るし、バス、地下鉄なども含めて乗車券のデザインも知ることができる。現在ほとんど立替えられてしまった丸の内のビル群の建築当初の姿も貴重な資料である。
１９１４年の東京駅開業直後の地図により現在の丸の内二丁目は八重洲町だったことも明示されている。八重洲という地名の移動が本書により把握出来る。
巻末に近く「東京駅再発見」の幾つかの写真は、復元工事前の東京駅の点景であり、復元工事完成後に比較する楽しみを与えてくれる。ヴィジュアルな本書は東京駅を知る「この一冊」といえる。