マドモアゼル・シャネルの言葉をちりばめつつ、彼女の虚実取り混ぜた話の裏に真実はこうだったのではないかというジャーナリストらしい冷徹な読みも見て取れる。
世界が注目するクチュリエの人生を内側から描いたという点では非常に興味深い一冊だが、事前に彼女の歴史というものを踏まえておかないと事実関係はつかみにくい文章なので、マドモアゼル・シャネルについて書かれた本の「2冊目」として読まれることをお勧めする。1冊目は外面的に彼女の人生を語っているものを、そして2冊目にこの内面から描かれた本を、という形で。
生きることは戦いで、本当の自由をつかむために死ぬまで働き続けたシャネル。これほどまで苦しみ耐え、そして、栄光を勝ち得た女の激しい強さを感じました。