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ほかに誰がいる (幻冬舎文庫)

価格: ¥600
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
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青春小説.恋愛小説そしてホラーのちファンタジー ★★★★☆
想いを遂げられぬ相手と「つながり」を持つため主人公えりが
使った方法とは....まさに、ここまでするか、という驚きと恐怖。
でも「破滅へ向かう衝撃作」と謳われながら、読後感は不思議と悪くなかったです。
純粋であまりにも一途な想い ★★★★☆
設定はまったく異なるが、映画「ベティ・ブルー」(原題:37.2℃)を連想させる。何も理屈はなく、限りなく純粋な恋愛小説。恋愛を維持するために、ヒロインは自分をどんどんすり減らす。恋愛に対するリアクションはすべてが自傷行為である。他人を傷つけているように見えるが、他人を傷つけた分以上に消耗を続ける。
狂気とも言える破滅型の愛ではあるが、読み進むのになんの抵抗もなく、読後感も悪くない。非常に細かい章立てが、小説のスタイルとしてとても新鮮であった。ビジュアルが自然と頭に浮かぶ、カラフルで豊かなレトリックも秀逸である。
ほかにもいるでしょう ★★☆☆☆
「あのひとのことを考えると、わたしの呼吸はためいきに変わる」
 このようなうつくしい出だし、詩的な文体で、うっとりと読み進められるものだと思ってしまいました。
 なぜ、なぜ、中盤あたりから気持ち悪くて、生々しいことになってしまったのでしょう・・。それほどまでに想いを寄せる相手、賀集玲子は一見ふつうの女の子に見えます。それほどまで焦がれる魅力はなんだったんでしょうか?
 ただ、タマイという少年の出現はとても好きです。
忘れていました ★★★★★
小説にのめり込む自分を忘れていました。書店で働いているため、ゲラやプルーフなどが届くのでそれを読むのが精一杯で、小説を楽しむことができなくなり、活字を辿る事さえ食傷気味になっていた私に、読むことの楽しさを思い出させてくれました。『田村はまだか』のゲラは読んでいたのですが、まぁ、面白い地元の作家だな、というくらいの感想でした。でも、この本の荒削りな走った文章にこの作家の将来性を感じた気がします。最近の落ち着いた文章もいいけれど、この作品の疾走感を忘れないでほしいと思います。
こんな変な女!主人公以外ほかに誰がいる ★☆☆☆☆
「田村はまだか」があまりにも面白かったので、朝倉かすみの過去の作品であるこの本に手を出した。
「田村はまだか」から入ったので、あまりにも対照的な作品で驚いた。
同級生の女の子を好きになるなどというレベルではなく、
相手の自己を尊重してない自己完結で相手を求める女の子の破滅までだからだ。
書き下ろしでわざわざこういうのを書くっていうのにも首を傾げたくなる。
本城えりが、壊れていく姿と言い切るには、
賀集の父だと勘違いした男との時間をきちんと築けてもいる。
賀集玲子がそこまで好きだったというには、
勝手に名前をびろうどと付けその名前をノートに書くことに熱中するのだ。
タイトルを<こんな変な女本庄えり以外、ほかに誰がいる。>にした方が中身とリンクしてると思う。