特に、ヨーロッパ中世の化粧嫌いの理由、江戸時代の混浴風景や戦前の日本に見られる「清潔ブーム」については知らない事が多く、改めて、今の日本人の考え方が西洋的なものに支配されているという事に気づかされた。
古今東西の化粧文化に造詣の深い著者によって書かれたこの本を読んだことで、古くから世界の至るところで行われてきた、美しくなるための「無茶」の数々を知ることができた。「美しくなるためなら死んでもいい」という「狂気」の例の数々がしるされてある、大変面白い本である。