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魚たちの離宮 (河出文庫)

価格: ¥399
カテゴリ: 文庫
ブランド: 河出書房新社
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とてもきれいな文章でした★ ★★★★★
怪談・・・までとはいいませんが
ほんのり涼しい気持ちにさせていただきます。
もちろん怖いとかそれだけじゃなくて、田舎の涼しい夏が想像できる。そのイメージは、読者が想像しやすい
長野先生の文章を是非よんでください。
冷たく透き通っていく日々 ★★★★★
最近では『盂蘭盆(うらぼん)』っていう言葉すら聞かなくなりましたが。

一般的には8月13日頃、迎え火を焚いて祖先の霊を迎え、
数日後に送り火を焚いてその霊を送り出す、そんな行事です。
きゅうりや茄子に楊枝を挿して牛や馬を作ったりなんて、昨今はとんと見かけませんけれども。
でもそんな昔ながらの風習が、いつしか現実離れしたことになり、
不思議な雰囲気を醸し出しているのでしょう。

がらんとした旧家で、夏の盛りだというのにどこかひんやりとした空気の流れる空間。
そんな家に住む夏宿(かおる)を訪ねた市郎の過ごした数日間を、現代が失くしかけた風習や、
木々の葉ずれが聞こえてきそうな描写と共に綴られる、哀しくも美しい物語。

向こう側とこちら側の話 ★★★★☆
病気がちな友人の家を訪ねていくところから話がはじまります。
透明ではかないお話です。
透明な音のする旧家の庭に。(または冷房器具に嫌気が差した方々へ) ★★★★★
 友人の夏宿(かおる)は夏のはじめから床についている。何かと謎掛けのような言葉を置くピアノ教師諒(まこと)、兄を愛する夏宿の弟、弥彦のいる家に今日見舞いに行く。狐火の碧い焔。盂蘭盆の四日間、幽霊が出ると噂される古い屋敷に彷徨う魂。本書は著者が美大卒ということがあってか、出てくる一つ一つの音に、冷たい水の底から湧き出てくるような清涼感、眼に涼しい「色」が浮き出ています。夏のさなか、暑さに木陰と冷たい川の水、よく冷えた水菓子を求め蝉の声に風情を感じる、そんな今となっては出会うことのなくなってしまったように思われる、心が求める懐かしい匂いがあります。是非読んでほしい。もし読んで頂けるのなら、夏に。本書を手にとって見てください。音に溶け込む爽彩色をお届けします。